債務整理 2021/12/24

法テラスは費用の立て替え制度あり!お金がなくても弁護士・司法書士へ依頼できる?

法テラスによる費用の立て替え制度は、債務整理など弁護士・司法書士へ依頼したいけれどもまとまったお金を用意できない方に便利な公的な支援制度です。しかし、利用にはデメリットや条件があります。返済方法や債務整理の支払金額を詳しく解説します。

竹原万葉

執筆者 竹原万葉

都内在住のライター・編集者。

目次

法テラスによる費用の立て替え制度はお金がなくても使える

法テラスによる弁護士・司法書士事務所の費用の立て替え制度の仕組み

刑事・民事を問わず法的なトラブルの解決に必要なサービスを提供する法テラス(正式名称:日本司法支援センター)では、経済的に余裕のない方でも無料で法律相談を受けられます。

記事内参照)法テラスの費用の立て替え制度を利用するための条件はこちら

法テラスによる費用の立て替え制度の対象外となる費用

お金のイメージ

法テラスの費用の立て替え制度には、対象外となる費用もあります

鑑定料などの費用は一部のみ立て替え可能

法テラスの費用の立て替え制度では、裁判所へ納付する印紙代、鑑定量、コピー代、通訳の費用、弁護士・司法書士の遠方への交通費などの実費は限度額の範囲内であれば立て替えてもらえます。

限度額を超える金額は原則として自分負担となります。

生活保護受給者を除き、自己破産の予納金は法テラスによる費用の立て替えの対象外

自己破産では裁判所での手続きが必要です。この際、裁判所に予納金を納めなければなりません。予納金は法テラスによる費用の立て替えの対象外です。

個人再生の予納金は法テラスによる費用の立て替えの対象外

個人再生でも予納金が必要ですが、法テラスによる費用の立て替え制度では立て替えてもらえません。

法テラスによる費用の立て替え制度の利用のデメリット

夫婦

法テラスによる費用の立て替え制度を利用するにあたってデメリットが発生します。事前に確認しておきましょう。

審査に手間と時間がかかる

法テラスによる費用の立て替え制度の利用には審査があります審査のために書類をそろえたり審査を受けたりするのに時間がかかります

借金問題の解決を急いでいる方は、立て替え制度を利用せず、弁護士・司法書士事務所が設定している独自の分割払い制度を利用するほうがよいかもしれません。

収入要件・資産要件の証明の過程で家族にバレる可能性がある

家族にバレずに法テラス経由で弁護士・司法書士事務所を利用したい方は、法テラスの費用の立て替え制度を利用しないほうがよいでしょう。

法テラスの費用の立て替え制度の利用のための審査の段階で、収入・資産に関する資料を家族の分まで用意する必要があります。家族ではあっても給与明細や預金通帳を預かる機会は通常は少ないはず。不審に思われ気づかれてしまう恐れがあります

債務整理は費用がかかっても弁護士・司法書士がおすすめ!費用の相場と対処法を解説

法テラスの費用は分割払い・銀行引落しで返済可能

法テラスの費用の立て替え制度を利用した場合、分割払いで返済していきます。

返済は契約を交わしてから2カ月後から

法テラスの費用の援助開始が決定し契約をしたら、2カ月後から返済が始まります

返済額は毎月5,000円~10,000円程度原則3年以内に返済が終わる金額になるよう法テラスが勘案した上で決定します。

今月の返済日と自動引落日は法テラスのサイトで確認できる

法テラスの費用の返済は、原則として給与・年金等の振り込まれる金融機関口座からの自動引落で支払います。(ゆうちょ銀行だとその他の金融機関よりも引落し手数料が安いです。)

毎月の返済日は15日/25日/27日のいずれかとなります。

いずれの場合でも土日祝日に重なる場合、自動引落日は別の日に移動します。法テラスの「今月の返済日」のWebページでその月の自動引落日が確認できるので、ブックマークしておくとよいでしょう。

参考)今月の返済日|法テラス

数カ月分をまとめてや残額一括の引落しも可能

法テラスの費用の立て替えの返済は毎月の分割払いのほか、まとめて支払うこともできます。

まとめ払いや残額一括払いは引落日の11営業日以上前に、事前に法テラスへの申し込みが必要です。

法テラスの費用の返済ができないとどうなる?

コンビニエンスストアでの支払いのイメージ

法テラスによる費用の立て替えの返済が滞った場合、ハガキや電話で連絡が来ます。

自動引落がされなかった場合は払込用紙(ハガキ)が送付される

自動引落日に返済金の入金が間に合わず、自動引落が失敗すると、法テラスから返済のためのハガキが送付されます。(ゆうちょ銀行の自動引落手数料も支払う必要があるため、余裕をもって入金しておくと安心です。)

ハガキが払込用紙になっています。払込用紙の支払期限までにコンビニエンスストアで支払いましょう

電話や手紙などによる督促でも支払われない場合は法的措置がとられる

法テラスの費用の立替金の返済が滞ると、電話や手紙、訪問による督促や、法テラスが委託した会社から督促されます。

このような督促でも返済しない場合、裁判所に支払督促調停などを申し立てられる可能性があります。法的手続きで回収されるほか、さらに民法で定められた3%の損害金が上乗せされてしまいます。

生活保護の受給者や生計が困難で将来も回復の見込みがない方は償還免除になる

返済しない理由として「どうしても払えない」こともありますよね。

実は、返済額の決定後でも、法テラスによる費用の立て替えの返済が免除される場合があります

  1. 生活保護法による保護を受けているとき。
  2. ①に準ずる程度に生計が困難であり、将来もその資力を回復する見込みに乏しいと認められるとき。

会社都合や自分自身の都合など様々な理由から働き続けられなくなり収入が得られない状況になりそうになったら、法テラスに相談してみてください。

法テラスの弁護士・司法書士の費用の例

法テラスによる費用の立て替え制度を利用した場合の返済額の参考として、法テラス埼玉の標準的な決定金額を参考にご紹介します。

任意整理事件

債権者数 実費+着手金 (実費) (着手金)
1社 4万3,000円 1万0,000円 3万3,000円~
2社 6万4,500円 1万5,000円 4万9,500円
3社 8万6,000円 2万0,000円 6万6,000円
4社 10万8,000円 2万0,000円 8万8,000円
5社 13万5,000円 2万5,000円 11万0,000円
6~10社 17万9,000円 2万5,000円 15万4,000円
11~20社 20万6,000円 3万0,000円 17万6,000円
21社以上 23万3,000円 3万5,000円 19万8,000円

※過払い金がある場合、別途、報酬金がかかります。

自己破産事件

債権者数 実費+着手金 (実費) (着手金)
1~10社 15万5,000円 2万3,000円 13万2,000円
11~20社 17万7,000円 2万3,000円 15万4,000円
21社以上 21万0,000円 2万3,000円 18万7,000円

※過払い金がある場合、別途、報酬金がかかります。

民事再生事件

債権者数 実費+着手金 (実費) (着手金)
1~10社 20万0,000円 3万5,000円 16万5,000円
11~20社 22万2,000円 3万5,000円 18万7,000円
21社以上 25万5,000円 3万5,000円 22万0,000円

※過払い金がある場合、別途、報酬金がかかります。

出典:弁護士費用・司法書士費用の目安|日本司法支援センター 法テラス(法テラス埼玉の例 2020年6月12日;表記を表形式に改変)

法テラスによる費用の立て替え制度を利用するための条件

法テラスによる費用の立て替え制度を利用するには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

  1. 収入等が一定額以下であること
  2. 勝訴の見込みがないとは言えないこと
  3. 民事法律扶助の趣旨に適すること

事前に審査を受ける必要がある

事前に審査を受ける必要があり、書類の用意や時間的余裕が必要な点にも注意が必要です

収入要件と資産要件には注意が必要

法テラスによる費用の立て替え制度を利用するための条件の他に

  • 申込者や同居家族の手取り月収額(収入要件
  • 不動産・有価証券・預貯金などの資産の合計額(資産要件)が基準を下回ること

という基準に注意が必要です。

法テラスの費用の立て替え制度利用の収入要件

  • 申込者及び配偶者(以下、「申込者等」)の手取り月収額(賞与を含む)が下表の基準を満たしていることが要件となります。
  • 離婚事件などで配偶者が相手方のときは収入を合算しません。
  • 申込者等と同居している家族の収入は、家計の貢献の範囲で申込者の収入に合算します。
人数 手取月収額の基準※1 家賃又は住宅ローンを負担している場合に加算できる限度額※2
1人 18万2,000円以下
(20万200円以下)
4万1,000円以下
(5万3,000円以下)
2人 25万1,000円以下
(27万6,100円以下)
5万3,000円以下
(6万8,000円以下)
3人 27万2,000円以下
(29万9,200円以下)
6万6,000円以下
(8万5,000円以下)
4人 29万9,000円以下
(32万8,900円以下)
7万1,000円以下
(9万2,000円以下)

※1:東京、大阪など生活保護一級地の場合、()内の基準を適用します。以下、同居家族が1名増加する毎に基準額に30,000円(33,000円)を加算します。
※2:申込者等が、家賃又は住宅ローンを負担している場合、基準表の額を限度に、負担額を基準に加算できます。居住地が東京都特別区の場合、()内の基準を適用します。

法テラスの費用の立て替え制度利用の資産要件

  • 申込者及び配偶者(以下、「申込者等」)が、不動産(自宅や係争物件を除く)、有価証券などの資産を有する場合は、その時価と現金、預貯金との合計額が下表の基準を満たしていることが要件となります。(※無料法律相談の場合は、申込者等の有する「現金、預貯金の合計額」のみで判断します。)
  • 離婚事件などで配偶者が相手方のときは資産を合算しません。
人数 資産合計額の基準※1
1人 180万円以下
2人 250万円以下
3人 270万円以下
4人以上 300万円以下

※1:将来負担すべき医療費、教育費などの出費がある場合は相当額が控除されます。(無料法律相談の場合は、3カ月以内に出費予定があることが条件です。)

出典)法テラス」よる費用立て替えについて|日本司法支援センター 法テラス

法テラスによる費用の立て替え制度の利用方法まとめ

法テラスによる費用の立て替え制度は、弁護士・司法書士の費用の捻出が難しい方に便利な制度です。

法テラスの費用の立て替え制度の
利用のポイント

  • 費用の立て替えには審査があり時間がかかる
  • 審査に必要な資料集めにともない家族にバレる可能性がある
  • 返済は契約から2カ月後から
  • 返済額は月額5,000円~10,000円
  • 原則として3年以内に返済し終えるプラン
  • 給与・年金等の口座から毎月自動引落
  • 返済ができないことが続くと電話・訪問の督促、裁判所を利用した回収も
  • 法テラスによる費用の立て替え制度の対象外の費用もある

弁護士・司法書士事務所への支払いに不安のある方でも相談しやすいですが、利用に条件があるほか、家族に知られる恐れなどもあります。

債務整理を急いでいる方や家族に内緒にしたい方は、法テラスだけでなく他の弁護士・司法書士事務所の無料相談を利用しながら並行して相談を進めていくのがおすすめです。最も自分に合った債務整理の方法を見つけやすいですよ。

前の記事
債務整理するデメリットは?ブラックリスト入りした場合の対処法やよくある誤解

債務整理するデメリットは?ブラックリスト入りした場合...

次の記事

ブラックリストはスマホ・PCでも確認可能!確認方法や...

関連記事

債務整理するデメリットは?ブラックリスト入りした場合の対処法やよくある誤解

2021/12/22

債務整理するデメリットは?ブラックリスト入りした場合の対処法やよくある誤解

債務整理は費用がかかっても弁護士・司法書士がおすすめ!費用の相場の実例と一括で払えない場合の対処法を解説

2021/12/09

債務整理は費用がかかっても弁護士・司法書士がおすすめ!費用の相場と対処法を解説

借金減額診断は罠じゃない!国が認めた救済措置をサポートする弁護士と完済への一歩を踏み出そう

2021/10/19

借金減額診断は罠じゃない!国が認めた救済措置をサポートする弁護士と完済への一歩を踏み出そう