自動車ローンの種類と賢い選び方:あなたに最適なローンを見つけよう

当サイトのリンクには広告が含まれています。

このサイトの本文はCC BY 4.0で自由に引用・転載できます。

出典リンクとライセンス名を明示してください。

自動車ローンを選ぶとき、金利や審査条件、所有権の扱いなど、複雑な違いに迷ってしまう方は少なくありません。

そこでこの記事では、

  • 銀行系ローン
  • ディーラーローン
  • 残価設定ローン
  • 自社ローン

という4つの主要タイプについて、それぞれのメリット・デメリットや向いている人の特徴を詳しく解説します。

低金利で総支払額を抑える方法、手続きの手軽さと審査通過のしやすさのバランス、月々の負担を軽くする残価設定の仕組みや注意点など、比較のポイントも網羅。

読めば、自分のライフスタイルや資金計画に合った最適なローンの選び方が明確になります。

目次

自動車ローンの主な種類と特徴

自動車ローンには大きく分けていくつかの種類があります。

代表的なものは

  • 銀行系ローン
  • ディーラーローン(信販ローン)
  • 残価設定ローン(残クレ)
  • 自社ローン(販売店独自ローン)

の4つです。

それぞれ提供元や契約条件が異なり、金利や審査基準、車の所有権などに違いがあります。

まずは各ローンの特徴を理解し、メリット・デメリットを比較してみましょう。

銀行系ローン

銀行系ローンは銀行や信用金庫などの金融機関が提供するマイカーローンです。

メリット

金利(実質年率)は商品・属性・時期で変動しますが、銀行系は概ね1~4%台の設定※が見られます(審査・付帯条件で上下します)。

※実質年率(APR)=金利+各種手数料である点に注意して、必ず検討するローン商品を確認しましょう。実質年率は、利息や各種費用を年率換算した指標で、貸金業法施行規則の算式に基づき算出されます。

一方、ローンで購入しても車の所有権は購入時から自分名義となるため、ローン返済中であっても車を売却したりカスタマイズしたりといった自由度が確保されます。

用途の自由度も高く、金融機関によっては中古車購入やカーナビなどオプション費用にも融資を充てられる場合があります。

デメリット

審査のハードルが高めで、安定した収入や信用情報が求められる傾向があります。

審査に時間がかかる場合もあり、申し込みから融資実行まで1週間以上要するケースもあります。

また、ディーラーで車を購入する際にその場で申し込むことができず、自分で銀行に出向いて手続きをする手間がかかる点も留意が必要です。

総じて銀行系ローンは「とにかく低金利でお得に借りたい」「いずれ車を自分のものにしたい」という方に向いています。

ディーラーローン(信販系ローン)

ディーラーローンは、ディーラー(自動車販売店)が提携する信販会社やクレジット会社が提供するローンです。

メリット

銀行ローンに比べて審査がスピーディーかつ通りやすい傾向にあり、購入手続きと同時にその場で申し込める手軽さがあります。審査結果も早ければ当日中に出るため、「すぐに車が必要だがローンを組みたい」という場合に便利です。

また、販売店によってはディーラーローン利用が値引き交渉の材料になることもあります(値引き可否は販売店の方針・時期・在庫等によって異なります)。

手続きが一括で済むので、車選びから購入までワンストップで進められる点も利点です。

デメリット

金利は一般的に年4~8%前後と銀行ローンより高めに設定されています。

そのため総支払額では割高になることが多いです。また、ローン完済までは車の所有権がディーラーまたは信販会社側に留保されるため、ローン中は勝手に車を売却したり他人に譲渡することはできません。

他の販売店で車を購入する際には利用できず、そのディーラー取り扱いの車に限定される場合がある点にも注意が必要です。

ディーラーローンは「銀行ローンが難しかったが車は早く欲しい」「なるべく手間をかけずに手続きしたい」という人に適した選択肢と言えるでしょう。

残価設定ローン(残クレ)

厳密にはディーラーローンの一種ですが、あらかじめ数年後の下取り予定価格(残価)を設定し、車両価格からその残価分を差し引いた金額のみを分割で支払うローンです。

メリット

購入時に設定した残価を最後の支払いに据え置く分、月々の返済額を大幅に抑えられる点が最大の魅力です。

通常、車両本体価格の50%~70%程度を残価として設定するため、残りの30%~50%のみを支払えばよく、手持ちの頭金が少ない場合でも新車に乗りやすくなります。

また、3~5年程度の短いサイクルで常に新しい車に乗り換えたい方にも適したプランです。

残価設定ローンの利用はディーラー施策等で拡大傾向とされますが、取扱い状況はメーカー・時期で大きく変動します。

必ず最新の販売金融統計・各社公表資料をご確認ください。

デメリット

金利(分割手数料)が通常のローンに比べ高めに設定されていることが多く、その分支払総額は割高になる傾向があります。

さらに、

  • 走行距離上限・査定基準表(へこみ・傷・内装)に沿わない場合の別途清算となる場合あり(多くの商品で月1,000~1,500km程度の走行距離上限等が設定されています(メーカー・商品で差異あり)。具体条件は契約書で要確認。)
  • 早期解約時は残価据置分の扱い・精算方法が商品で異なる
  • 返却時の残価不足(市場価格<据置残価)は自己負担となる可能性

といった点も押さえておきましょう。

さらに、残価設定ローンでは契約終了時に「車を返却して終了」か「残価を支払って買い取る」か「新たな車に乗り換えてローンを継続する」かを選ぶ必要があり、自分のライフスタイルや経済状況に合わせた判断が求められます。

総じて、残価設定ローンは「月々の支払いを極力抑えたい」「数年ごとに新車に乗り換えたい」という人に向いていますが、契約時に定められた条件や将来の出費について十分に理解した上で利用しましょう。

自社ローン(販売店独自ローン)

自社ローンは販売店自らが独自に提供するローンで、中古車販売店などで見られる方式です。

メリット

銀行や信販会社を通さず販売店が直接審査・融資するため、信用情報に傷がある方や他のローンで断られた方でも審査に通りやすい点が最大の特徴です。

収入証明や勤続年数などの条件も比較的緩やかで、即日で審査・契約が完了するケースもあります。

また一部の自社ローンは「金利0%」を謳っており、一見すると非常にお得に思えるでしょう。

デメリット

自社ローン”と称する取引には、金銭消費貸借ではなく分割販売や個別信用購入あっせん(割賦販売法の枠組み)に該当する形態が含まれます。

実際には金利0%の裏で車両本体価格に上乗せがあるなど、見えにくい形で負担がかかる仕組みが取られている場合が多いです。

「金利0%」でも保証料や車両価格上乗せ等により実質負担が生じる場合があります。契約類型と総支払額・手数料の内訳を必ず確認してください。

また、さらに、自社ローン契約には多くの場合で保証人が必要である点、ローン完済まで車の所有権は販売店側にあるため、支払いが滞れば車両を引き揚げられてしまうリスクもあります。

以上の理由から、特別な事情(過去の金融事故歴など)がない限り、自社ローンは安易に選ぶべきではないと言われます。

金利・手数料は商品・時期・属性で大きく異なります。最新の実質年率・手数料・総支払額は各社公式ページで必ずご確認ください。

(本記事は2025年8月時点の一般的な傾向を解説するもので、特定商品の優劣を示すものではありません)

自動車ローンを選ぶ際のポイント

自分に合った自動車ローンを見つけるために、以下のポイントを総合的に検討することが大切です。

一つひとつ確認していきましょう。

1. 金利の低さ

ローンを選ぶ上で金利は最重要と言っても過言ではありません。

わずかな金利差でも、借入額や返済期間が大きければ支払う利息総額に大きな差が生じます。

一般的な傾向としては「銀行系ローンが低め、ディーラー系はやや高め、自社ローンは総額が高くなりがち」です。

残価設定ローンは“キャンペーンで名目金利が低く見える”場合もありますが、残価据置・条件付き返却・清算費用などを含めた総支払額では必ずしも有利とは限りません。

金利順位は時期・車種・個人属性で入れ替わるため、総支払額で比較してください。

複数のローン商品を比較し、できるだけ低金利のローンを選ぶことで総支払額を抑えられるでしょう。

また、金利タイプにも注目しましょう。固定金利型のローンであれば完済まで毎月の返済額が一定で計画が立てやすい反面、契約時の金利水準によっては割高になることもあります。

一方、変動金利型のローンは市場金利の動向に応じて金利が見直されるため、将来的に返済額が増減するリスクがあります。

現在の金利水準と今後の金利見通しを考慮し、自分にとって安心できる金利タイプを選ぶことも重要です。

2. 総支払額で比較する

総支払額の出し方例

  1. 車両本体+諸費用 - 頭金 = 借入元金
  2. 実質年率返済方式(元利均等)期間(月数)を入力
  3. 月額・利息総額・総支払額を算出(オンライン計算機の活用推奨)
  4. 残価設定は残価・清算費用・超過走行精算・中途解約費を別枠で見積もり、「返却」「買取」「乗換」の3シナリオで総額比較すること

安易に月々の返済額が低いローンに飛びつくのは禁物です。

重要なのは金利や各種手数料も含めた「総支払額」でローンを比較することです。たとえば残価設定ローンは月々の負担が軽い半面、金利が高めで最終的な支払総額は通常のローンより増える傾向があります。

また、返済期間を長く設定すれば毎月の支払いは楽になる一方で、その分利息の総額は増えてしまいます。

必ず各ローンで最終的にいくら支払うことになるのか試算し、同じ車を買う場合にどのローンが最も経済的かを比較しましょう。

ディーラーや銀行のウェブサイトには返済シミュレーションツールが用意されていることが多いので、活用してみると具体的な数字が把握できて便利です。

3. 審査の通りやすさ

ローンを利用するには審査に通過しなければ始まりません。

ご自身の年収や雇用形態、過去のクレジット履歴などから考えて、無理なく通りそうなローンを選ぶことも現実的な戦略です。

一般に銀行系ローンは審査が厳しく、信販系のディーラーローンや自社ローンは比較的審査が甘い(通りやすい)とされています。

特に自社ローンは過去の延滞履歴など信用情報よりも現在の収入状況を重視するため、「他では断られたが自社ローンなら借りられた」というケースもあります。

審査では具体的にどのような点がチェックされるのでしょうか。主な項目は次の通りです。

年収と返済負担率

年収に対して無理のない返済額かが見られます。

一般的に年間の返済額が年収の25~35%以内に収まるかどうかが目安とされ、それを超えると審査通過は難しくなります。

例えば、年収400万円の場合、年間の返済額の合計が140万円を超えると審査に通りにくくなってしまいます。

ただし、返済負担率の目安は金融機関により異なります(例:地方銀行の解説では「25~35%程度が目安」との記載もあります)。ご自身の家計全体で無理のない範囲を確認してください。

雇用形態・勤続年数

正社員など安定した雇用で勤続年数が長いほど信用度が増します。

逆に勤続が短すぎる場合試用期間中契約社員の場合は慎重に判断される傾向があります。

信用情報

過去の借入やクレジットカード利用において延滞や滞納がないかが照会されます。

金融事故歴があると審査は厳しくなります。

上記の他にも、他のローンやキャッシングの残高(多重債務状況)や、希望融資額に対して保証人・担保の有無なども総合的に判断されます。

心配な方は事前にご自身の信用情報を開示請求して確認したり、頭金を多めに用意して借入額自体を減らす努力も有効です。

4. 返済期間と繰り上げ返済の可否

ローンの返済期間も重要な検討ポイントです。

長期のローンを組めば毎月の返済額は少なくできますが、その分支払い期間中ずっと利息が発生し続けるため、総支払額は多くなります。

無理のない範囲でなるべく短い期間を設定できれば理想的ですが、ご自身の毎月の家計収支とのバランスも考慮しましょう。

また、契約によっては途中で余裕資金ができた際に繰り上げ返済(残債の一部または全額を前倒しで返すこと)が可能です。

繰り上げ返済をするとその分利息を減らせますが、金融機関によっては繰り上げ返済に手数料がかかったり、できるタイミングや金額に制限がある場合もあります。

今後ボーナスや臨時収入で早めに返したいという考えがあるなら、繰り上げ返済の可否や条件も確認しておくと安心です。

5. 所有権と車の自由度

車検証の「所有者」「使用者」は別欄です。銀行系は多くが所有者=本人、ディーラー系や自社ローンは所有者=販売側/信販会社、使用者=本人となるのが一般的。

所有権留保中は売却・名義変更・改造等に制限がかかる場合があります。売却予定がある方は事前に残債一括精算・所有権解除の手順を確認しましょう。

ローン返済中の車の所有権が誰にあるかも見逃せないポイントです。

銀行系ローンの場合、車は購入時からあなた自身の名義となりますが、信販系ローンや自社ローンでは完済するまで販売会社側が車の所有者となります。

この違いは、万が一途中で車を手放したくなった場合や、車を改造・カスタマイズしたい場合などに影響します。

所有権が自分にあればローン途中でも車を売却して残債に充てることも可能ですが、所有者がディーラー等になっていると勝手に売ることはできません。

将来的に車を売却する可能性がある方や、車に自由に手を加えたい方は、ローン選びの際に所有権の扱いも確認しておきましょう。

審査に不安な人向けの自社ローンという選択肢

過去にクレジットやローンの返済で延滞をしてしまった経験がある…

年収や勤続年数の面で銀行ローンの審査に自信がない…

という方にとって、自動車購入時の自社ローンは一つの救済策となり得ます。

自社ローンは前述の通り販売店独自の融資制度で、信用情報より現在の返済能力を重視した審査が行われます。

極端な話、信用情報に長期延滞等の事故情報がある場合でも、販売店独自審査で成約に至る例はあります。

ただし、保証料や車両価格上乗せ等により総支払額が高くなる傾向があり、保証人を求められるケースも一般的です。

ただし、自社ローンを利用する際はそのリスクや注意点も理解しておきましょう。

まず金利0%などと宣伝されていても、実際は車両価格に高額な手数料が上乗せされていたり、保証料が含まれていたりします。そのため支払い総額は決して安くありません。

また契約条件として保証人が必要となるケースが多く、親族などに頼めないと契約自体できないこともあります。

さらに契約違反があった場合、契約条項に基づく車両引き上げ(所有権留保に伴う返還請求)が行われることがあります。

具体的な対応は契約・法令に依存するため、契約前に条項を確認してください。

こうした点から、自社ローンは「どうしても他で借りられない人のための最後の手段」という位置づけです。

利用する際は金利換算すると実質どれくらいの負担になるのか、契約条項に不利な条件はないか等をしっかり確認し、可能であれば信頼できる第三者に契約内容をチェックしてもらうことをおすすめします。

【Q&A】自動車ローン選びの疑問に答える

自動車ローンにはどんな種類がある?

主に銀行系ローン、ディーラーローン、残価設定ローン、自社ローンの4種類があります。

それぞれ金利や審査基準、所有権の扱いが異なります。

銀行系ローンの特徴と向いている人は?

低金利で総支払額を抑えられ、車の所有権が最初から自分名義になります。

審査は厳しめで手続きに時間がかかるため、金利重視で計画的に購入できる人に向いています。

ディーラーローンのメリット・デメリットは?

審査が早く通りやすく、購入と同時に申し込めますが、金利は高めで所有権は完済までディーラー側にあります。

早く車が欲しい人や手間をかけたくない人に適しています。

残価設定ローンはどんな人に向いている?

月々の返済額を抑えつつ数年ごとに新車に乗り換えたい人に最適です。

ただし金利が高めで走行距離や車の状態に制限があり、契約満了時に選択が必要です。

自社ローンはどんなときに利用すべき?

他のローンが通らない場合の最終手段です。

審査は緩めですが、金利0%の裏に車両価格上乗せや保証料があり、総支払額は高くなる傾向があります。

自動車ローンを選ぶときの金利比較はどうすればいい?

複数商品を比較し、総支払額ベースで検討しましょう。

一般的に金利は銀行系が最も低く、次いで残価設定ローン、ディーラーローン、自社ローンの順に高くなります。

審査で重視されるポイントは?

年収と返済負担率、雇用形態と勤続年数、信用情報が主な審査基準です。

返済額が年収の25~35%以内であることが目安ですが、返済負担率は商品・属性で基準が異なる目安です。家計全体(住宅・教育・他借入)の年間返済合計÷年収を把握し、上限に近い借入は避けるのが安全です。

頭金を増やす・期間を延ばさず月額を調整する等も検討しましょう。

所有権の違いはどう影響する?

銀行系ローンなら所有権は自分にあり、返済中でも売却やカスタマイズが可能です。

ディーラーローンや自社ローンは完済まで所有権が販売側にあり、自由度が制限されます。

終わりに|賢くローンを選んで充実したカーライフを

自動車ローンには様々な種類があり、それぞれにメリット・デメリットや適した利用者像があります。

大切なのは金利の低さだけで決めるのではなく、ご自身のライフプランや経済状況、そして車との付き合い方に照らして総合的に判断することです。

例えば、総支払額をできるだけ抑えて早く車を自分のものにしたいなら銀行系ローンの活用を検討すると良いでしょう。

手続きの簡単さや審査の通りやすさを重視するならディーラーローンが有力です。

月々の負担を極力抑えつつ短期間で次々と新車に乗り換えたい方は残価設定ローンが候補になります。ただしその際は契約条件や将来の支払いについて十分理解しておく必要があります。

複数のローンの特徴を正しく理解し比較検討することで、あなたに最適な自動車ローンがきっと見つかるはずです。

賢いローン選びによって、無理のない計画で念願のマイカーを手に入れ、充実したカーライフを実現させましょう。

注記:本記事は一般的な情報提供を目的としています。条件は販売会社・金融機関・時期・個人属性で異なります。契約前には最新の商品概要・重要事項説明書をご確認ください。

シェアおねがいします!
  • URLをコピーしました!
目次