投資 2021/10/26

コインチェックのスプレッドは広すぎる?取引所・販売所の手数料やスプレッドを比較してみました

メディア露出も多く、国内有数の仮想通貨取引所として注目されている「コインチェック(Coincheck)」。

スプレッドが広い」という情報サイトがあれば、「スプレッドが小さいから利用しやすい」というサイトもあり、特に初心者の方は疑問を抱かれることでしょう。

こちらでは、コインチェックのスプレッドに関して実際とのところはどうなのか、どのような会社なのかを徹底的に掘り下げていきます。

小田原aki

執筆者 小田原aki

関西出身・関東在住のライター

目次

コインチェックのサービス概要

日本国内の代表的な仮想通貨(暗号資産)の取引所である「コインチェック」。

仮想通貨取引アプリのダウンロード数が国内No.1と、コインチェックを利用しているユーザーは多いようです。

設立以来の動向

ビットコインを始めとする仮想通貨は、それ自体が新しい通貨概念です。

そのため多くの仮想通貨取引所の設立がは010年代。そのような中で、国内有数の取引所である「コインチェック」はどのような会社か見ていきましょう。

  • 2012年8月 : 前身の「レジェプレス株式会社」を設立
  • 2014年8月 : 暗号資産取引サービス(Coinchech)を開始
  • 2016年9月 : 「Coincheckでんき」のサービス提供を開始
  • 2017年3月 : 会社名を「コインチェック株式会社」に変更
  • 2018年1月 : NEM流出事件により500億円を超える不正流出
  • 2018年4月 : マネックスグループ株式会社の子会社となる

2018年に起きた仮想通貨NEMの流出事件により一時、苦境に立たされた「コインチェック」。しかしながら後に東証一部上場企業の「マネックスグループ」に買収されたことで、登録者数を再び伸ばしてきました。

解説者のイメージ

流出事件で、信頼性が疑問視されていましたが、現状では堅実な業務を回復し、取引通貨の多さやサービス内容の充実など、名実ともに国内トップレベルの取引所となっていますよ。

日本では暗号資産交換業を行うには金融庁・財務局への登録が必要です。
無登録の取引所には注意してください。

- 出典:日本銀行の「教えて!にちぎん
- 出典:金融庁の「無登録で暗号資産交換業を行うもの

サービス内容

コインチェックはアプリの使いやすさに定評があり、国内No.1ダウンロード数がそれを裏付けています。その他のサービス内容やコンテンツについて確認していきましょう。

仮想通貨の種類 17種類国内最多※1
レバレッジ なし
取引所形式 ▼手数料
無料
▼スプレッド
レートによる
▼BTC最低取引単位
0.005BTC以上、かつ500円相当以上
販売所形式 ▼手数料
無料
▼スプレッド
レートによる
▼BTC最低取引単位
0.001BTC以上、かつ500円相当以上
サービス・商品 Coincheckつみたて・Coincheckでんき・Coincheckガス・Coincheck貸仮想通貨

※1:2020年12月コインチェック調べ
BTC/ETH/ETC/LSK/FCT/XRP/XEM/LTC/BCH/MONA/XLM/QTUM/BAT/IOST/ENJ/OMG/PLT(PLTは取引所のみ)

仮想通貨の取引には、仮想通貨交換業者に登録しているユーザー同士で行う取引と、仮想通貨交換業者と登録者が行う取引があります。

解説者のイメージ

ユーザー間の取引が行われる場が「取引所(取引所形式)」、ユーザーと業者間の取引が行われる場を「販売所(販売所形式)」と呼びます。

取引所・販売所形式のどちらも手数料無料なのが、コインチェックの特徴のひとつ。販売所形式の手数料を無料である会社は多いのですが、取引所形式では約定数量×0.01%~0.15%の手数料を設定しているのが一般的です。

解説者のイメージ

当記事では取引所形式、販売所形式と表記していますが、サイトによっては取引所・販売所と表記しています。

仮想通貨の交換業者を「取引所」とするため区別しにくいですが、取引所形式」・「販売所形式」で仮想通貨の売買の仕組みが異なることを理解しておきましょう。

また、レバレッジをかけられる取引所もありますが、コインチェックではレベレッジを掛けられません。純粋な元手のみ現物取引とるので、損失を抑えることが可能です。

さらに月1万円~上限1,000万円(1,000円単位)で積み立てられる「つみたてCoincheck」や電気・ガス代の3%ををビットコインと交換できる「Coincheckでんき※1Coincheckガス※2」など、さまざまなサービスも提供しています。

※1:2021年10月現在、全国有力電力会社と契約可能。料金の最大7%分のビットコインが毎月もらえる(ビットコイン支払いも可能。最大7%オフ)
※2:2021年10月現在は東京ガスのみ。ガス料金の3%分のビットコインが毎月もらえる(ビットコイン支払いも可能。3%オフ)

コインチェックのスプレッドを他業者と比較!

国内有数の仮想通貨取引所とされる「コインチェック」。他の取引所との比較にフォーカスして見ていきましょう。

コインチェック bitFlyer GMOコイン Liquid bit bank DMM Bitcoin※1
コインチェックのロゴ bitFlyerのロゴ GMOコインのロゴ Liquidのロゴ bitbankのロゴ DMMbitcoinのロゴ
取引銘柄数数
(JPYペア)
17種類 13種類 8種類※2 5種類 11種類※5 12種類※6
手数料
(取引所形式)
無料 約定数量×0.01~0.15% 約定数量×-0.01~0.05%
*レバレッジ取引は無料
無料※4
0.1%
約定数量×-0.02~0.12%
※7
手数料
(販売所形式)
無料※3 無料 無料
※7
無料 無料
スプレッド
(BTC/JPY)※1
1,668 2,983 15,418 2,885 1 2,520※8
レバレッジ 設定なし 最大2倍 一律2倍 最大4倍 設定なし 一律2倍
口座開設はこちら 口座開設はこちら 口座開設はこちら 口座開設はこちら 口座開設はこちら 口座開設はこちら

※1:取引所形式のスプレッド。DMM Bitcoin以外のスプレッドはすべて同時点比較
※2:レバレッジをかけた取引では国内最多(GMO調べ)
※3:個人間取引に当るBitMatchには手数料がかかる
※4:BTC/JPYおよびQASH通貨ペア以外は有料(0.1%)
※5:BTCペアを含めると21種類
※6:他ペアを含めると19種類
※7:Liquidでは販売所形式の取り扱いがなく、DMM Bitcoinでは取引所形式がない
※8:販売所のレバレッジ取引後のスプレッド情報で、他5社とは同一軸ではない

他社と比較すると、取引通貨銘柄の多さや、取引手数料が無料なのがポイント。多彩な商品サービスや使いやすいツールといった企業努力もあり、取引量や参加者数は国内トップクラスです。

解説者のイメージ

各種メディアで「スプレッドが広い」という評判は、販売所形式のスプレッドを指しています。取引所形式に関しては低めの傾向です。

コインチェックで取引するメリット・デメリット

コインチェックのメリット・デメリット

まだまだ歴史が浅い「仮想通貨」。しかしDMMやGMOといった大手証券会社が参入していることもあり、仮想通貨を扱う取引所にもさまざまなタイプがあることが解りました。

ここからは、仮想通貨取引で「コインチェック」を利用するメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

コインチェックのメリット

使いやすいアプリや取引通貨銘柄の多さが話題の「コインチェック」。どのようなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。

コインチェックを利用するメリット

  1. コインチェックへの参加者が多い
  2. 扱っている銘柄数が純粋に国内No.1
  3. 販売所・取扱所形式で取引手数料無料
  4. 2021年5月にリニューアルされたアプリの評判も上々
  5. 少額投資&初心者でも安心の「コインチェックつみたて」が◎
  6. コインチェックでんき」や「コインチェックガス」を利用してお得
  7. コインチェックに「仮想通貨」を貸すと年率最大5%をゲット

コインチェックの最大のメリットが①の参加者が多いことであり、これを達成した企業努力が②以降と言えるでしょう。参加者が多く流動性が高いため、取引量も国内トップレベル

そのため、指値取引が成立しやすい点も魅力です。

②~④ 取引所としてのステイタス・利便性の向上

販売所で取り扱っている仮想通貨の銘柄が、JPYペアだけでも17種類。BTCペアを入れると31種類にもなります。

取引手数料が取引所・販売所形式ともに無料であったり、直感的な操作性を誇る高性能アプリも評判。幅広い仮想通貨の取引を行えます。

解説者のイメージ

参加者や取引数の多さでも、コインチェックは定番の取引所。どこに口座開設するかで悩んでる方に、まずおすすめしたい会社ですね。

⑤~⑦ 商品・サービスの拡充

コインチェックの商品・サービス

コインチェックは仮想通貨取引だけでなく、さまざまな商品・サービスも充実。コツコツ積み立て投資をするイメージがなかった仮想通貨ですが、それを払拭したのが「Coincheckつみたて」です。

月10,000円からの積立が可能で、長期運用にも◎。また公共料金の支払いを利用して、ポイ活のようにビットコインが貯まるコンテンツも利用者が拡がっています。

またCoincheck貸仮想通貨サービスとは、仮想通貨をコインチェックに「貸す」ことで、年率最大5%の利用料が支払われます。コインチェックが扱う全ての通貨が対象です。

細やかな取引に自信がない、仮想通貨を保持しているが最近は取引をしていない、という方におすすめのサービスです。

解説者のイメージ

仮想通貨の取引をしながら、その他のサービス・コンテンツを活用できるのはコインチェックならでは。仮想通貨取引だけで完結せず、横展開して利ざやを得られるメリットがありますよ。

コインチェックのデメリット

コインチェックを利用するデメリット

  1. 取引所形式の通貨銘柄数は5種類のみ
  2. レバレッジは掛けられない
  3. 取引所形式でMaker手数料は稼げない
  4. 販売所形式のスプレッドは広め!?

① 取引所形式の通貨銘柄数は5種類

残念ながら2021年7月現在、取引所形式で扱える銘柄数は少なめ。BTC/ETC/FCT/MONA/PLTの5種類となっています。

しかし取引所形式と販売所形式では、取扱銘柄や通貨ペアに違いがあるのが一般的です。例えばbitFlyerの販売所形式では13銘柄であるのに対し、取引所形式はビットコインのみ。bitbankの取引所形式ではJPYペアでしか取引できません。

② レバレッジは掛けられない

コインチェックでは、2020年3月13日をもってレバレッジ取引を停止。少ない元手で大きな取引をしたい方には不向きです。

解説者のイメージ

とはいえ、コインチェックが少額投資に不向きではありません。最小取引単位は低く設定されており、また「Coincheckつみたて」を利用すれば少額から投資ができますよ。

③ Makerの手数料は稼げない

取引手数料無料なのはメリットである一方、指値注文を出すMakerであった場合、「GMOコイン」や「bit bank」のように約定時に買い手から得られる手数料はありません

④ スプレッドが広い!?

一般的にコインチェックの販売所形式のスプレッドは広め、と言われています。しかしながら取引所形式のスプレッド(BTC/JPY)に関しては、比較的低め。(前述の比較表参照)

販売所形式のスプレッドは基本的に高く、取引所形式のスプレッドは狭いため、スプレッドを抑えたいならユーザー間どうしの取引所形式がおすすめです。

解説者のイメージ

販売所形式・取引所形式ともにスプレッドは刻々と変化し、相場の変動が激しい時は広がる傾向にあります。「狭い」と言われている会社や取引所形式を利用するとしても、日頃からスプレッドには注意しましょう。

コインチェックの口コミをチェック!

口コミのイメージ

ここからはコインチェックの口コミを確認していきましょう。

良い口コミの代表例

「Coincheckつみたて」に惹かれてはじめました。仮想通貨の売買タイミングが難しく感じたので積立方式をチョイス。

初心者でも、そこまで難しい知識が必要なく始められるのが「Coincheckつみたて」ですね。

口コミ寄せる人のイメージ
口コミを寄せる人のイメージ

とにかくアプリが使いやすい!PCでの注文もシンプルでわかりやすいです。数百円から取引が可能で、レバレッジをかけずにリスクを抑えた取引が可能です。

初心者でも安心して取引を始めることができました。

仮想通貨取引所のなかで最も初心者向けのツールを提供しているのがコインチェックだと思います。

口コミ寄せる人のイメージ

悪い口コミの代表例

口コミを寄せる人のイメージ

アプリは販売所形式にしか使えず、また取引所形式の銘柄が5種類しかないのは残念。販売所形式を利用すればよいのでしょうけれど、スプレッドが他社と比べて広く感じます

販売所形式のスプレッドが広い。取引手数料は無料だが、それは他の会社も同じ。

通貨銘柄が多いのが魅力だったが、結局ビットコインかイーサム程度しか取引しなかったので、他の会社でもよかった。

口コミを寄せる人のイメージ

口コミのまとめ

使いやすいアプリ、安心の少額投資でリスクヘッジが可能、など初心者向けの評判は上々です。

ただし口コミを見る限り、「販売所形式のスプレッドが広すぎる」という声が多数。また「取引所形式の取扱銘柄が少ない」・「取引所形式はPCサイトでしか参加できない」という意見も見受けられます。

しかしながら、難易度が高いと言われる取引所形式の「板取引」では、シンプルに注文できるPCシステムを採用。初心者でも参加される方は多いようです。

解説者のイメージ

スプレッドが圧迫しがちな短期トレードには取引所形式、長期的投資や幅広い通貨トレードには販売所形式での取引や「Coincheckつみたて」が◎。投資計画によって賢く使い分けましょう

まとめ

コインチェックでビットコイン取引のイメージ

ここまでコインチェックについて、他社と比較しつつ、さまざまな観点から見てきました。

結局、コインチェックとは?

  • 過去の流出事件に関わらず、マネックスグループ傘下となり信用を回復
  • 参加者数・取引数量が国内トップレベル
  • 流動性が高く、指値取引も成立しやすい
  • 販売所形式or取引所形式、多彩な商品サービスなど投資計画ごとに選択肢が多い
  • 取引所形式のスプレッドは狭く設定されている
  • 販売所形式のスプレッドは広い傾向で、短期取引には不向き
  • 仮想通貨の世界で少額投資や長期投資を実現したシステム・コンテンツを提供

国内有数の取引所となった「コインチェック」。参加者や取引数量の多さはもちろん、仮想通貨取引だけに完結しない多彩な商品も魅力です。

賢く活用して、無理のない投資をしていきましょう。

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