退職後にお金がないときどうする?失業手当・公的支援・減免を状況別に整理

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この記事で分かること

  • 退職後の状況に応じて、今日連絡する窓口を決める方法
  • 失業手当の受給条件と、初回入金までに必要な手続き
  • 家賃・保険料・年金・税金が払えないときに確認する制度

退職後に給与が止まり、預貯金だけでは家賃や生活費を払えないと、失業手当がいつ入るのか、ほかに使える支援はないのかが気になるはずです。

結論、今日または今週中の食費・家賃・光熱費が足りない人は、失業手当の入金を待たず、居住地域の自立相談支援機関または福祉事務所へ連絡しましょう。

失業手当(雇用保険の基本手当)は、退職しただけで自動的に振り込まれるものではありません。

受給資格の決定、7日間の待期、離職理由によっては給付制限、失業認定を経てから支給されるためです。

現在働けるか、雇用保険を受けられるか、次の支払期限までにいくら足りないかを分けると、最初に動く窓口を決めやすくなります。
返済が必要な借入を探す前に、給付、減免、猶予、支払相談を順に確認しましょう。

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この記事の結論

  • 今日・今週の食費や家賃が足りない人は、失業手当の入金を待たず、自立相談支援機関または福祉事務所へ連絡しましょう。
  • 働ける人はハローワークで受給手続きを始め、病気やけがですぐ働けない人は、加入していた健康保険と受給期間延長の条件を確認しましょう。
  • 借入前に不足額を確定し、給付・減免・猶予・支払相談を優先しましょう。民間借入は、確定入金までの一時的な不足で返済可能な場合に限ります。
目次

退職後にお金がないときは、生活の緊急度と働ける状態から相談先を選ぶ

利用できる制度名から探し始めるより、現在の状態から入口を選ぶ方が早く動けます。

今日・今週の生活費が足りない場合は生活相談を優先し、下の表で当てはまる手続きも並行して進めましょう

複数の行に該当することがあります。

スクロールできます
現在の状態最初の窓口今日行うこと次に確認する制度
今日・今週の生活費や家賃を払えない自立相談支援機関
福祉事務所
預金残高と直近の支払期限を伝える住居確保給付金
生活福祉資金
生活保護
働けるが、次の仕事と収入が決まっていない居住地を管轄するハローワーク求職申込みと雇用保険の受給手続きを始める基本手当
求職者支援制度
病気やけがで、すぐには働けない加入していた健康保険
ハローワーク
現在働けないことと退職日を伝える傷病手当金の継続給付
基本手当の受給期間延長
雇用保険の基本手当を受けられないハローワーク
自立相談支援機関
職業訓練と生活支援を分けて相談する求職者支援制度
住まい・家計の支援
制度の対象可否は、離職理由、加入期間、就労できる状態、世帯収入・資産などで決まります。

食事や住居を維持できない場合は、ほかの制度の結果を待つ必要はありません。
自立相談支援機関と福祉事務所への相談を優先しましょう。

今日・今週の生活費や家賃を払えない

食費、家賃、電気・ガス・水道など、生活を維持する支払いができない場合は、給付制度をすべて調べ終えてから動くのでは遅くなることがあります

現在の現金・預金、最も近い支払期限、次に入ることが確定している収入を整理し、自立相談支援機関へ伝えましょう。

次の食事や住居を確保できない状態なら、福祉事務所にも同日に相談できます。

働けるが、次の仕事と収入が決まっていない

すぐ働ける状態で、次の就職先が決まっていない人は、居住地を管轄するハローワークで求職申込みと雇用保険の受給手続きを進めましょう。

受給できるかだけでなく、受給資格決定日、待期が終わる日、給付制限の有無、最初の失業認定日まで確認しましょう。

失業手当の入金より先に支払期限が来る場合は、自治体や支払先への相談も並行して進めましょう。

病気やけがで、すぐには働けない

雇用保険の基本手当は、就職する意思に加え、すぐに働ける状態であることが前提です

基本手当の受給期間延長は、働けるようになってから受給するための期限を延ばす手続きです。

働けない間の給付は、健康保険の傷病手当金の継続給付を別に確認します

働けない状態が30日以上続く場合は、基本手当の受給期間延長の対象になり得ます。

退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あり、退職日に傷病手当金を受けているか、受けられる状態にあった人は、退職後も継続給付の対象になります。

退職日に出勤した場合は継続給付の条件を満たさないため、加入していた健康保険へ確認しましょう。

雇用保険の基本手当を受けられない

雇用保険へ加入していなかった人被保険者期間を満たさない人基本手当の受給を終えた人でも、求職者支援制度を利用できる場合があります

職業訓練の利用と、月10万円の職業訓練受講手当の受給は条件が異なります。

生活費がすでに不足している場合は、給付の審査結果だけを待たず、自立相談支援機関にも連絡しましょう。

今日・今週中に動く順番|給付から支払相談、必要なら貸付へ進む

退職後の資金不足は、返済が必要な借入先を探す前に、返済不要の支援と支払日を動かせる費用を確認するのが基本です。

STEP
返済不要の給付を確認する

失業手当、職業訓練受講給付金、住居確保給付金など、自分の状態で対象になり得る給付の手続きを始めましょう。

STEP
支払額を減らす・支払日を動かす

国民健康保険料、国民年金保険料、住民税、家賃、公共料金について、軽減・免除・猶予・分納・支払相談を行いましょう。

STEP
公的貸付と福祉相談を確認する

給付と支払相談を反映しても不足する場合は、生活福祉資金を確認しましょう。

生活を維持できない場合は、生活保護の相談も同時に進めましょう。

STEP
一時的な不足だけなら民間借入を比較する

確定した入金日までの不足額が残り、返済日と返済原資を数字で確認できる場合に限り、必要最小限の借入を検討しましょう。

最初に出す数字は、退職後の生活費全体ではなく、次の確定入金日までの不足額です。

支払期限までの不足額 = 支払期限までに必要な支出 - 現金・預金 - 支払期限までに入ることが確定している収入

たとえば、支払期限までに必要な支出が17万円、現金・預金が8万円、最終給与など確定済みの入金が5万円なら、不足額は4万円です(これは計算方法を示す仮定例であり、生活費の一般的な目安ではありません。)

仮定例:17万円 - 8万円 - 5万円 = 4万円

申請前の失業手当、審査中の給付金、まだ決まっていない次の給与は、確定している収入に含めません。

支払相談によって出ていく金額や時期が変わったら、不足額をもう一度計算しましょう。
必要額を先に小さくできれば、貸付や借入へ進む場合も負担を抑えられます。

失業手当はいつ入る?受給要件・待期・給付制限を分ける

失業手当は、退職日から一定の日数が過ぎれば自動的に入金されるものではありません

受給資格の決定後に待期と失業認定があり、自己都合退職などでは給付制限も加わります

退職しただけでは受給できない|加入期間と求職要件

一般的な離職者が雇用保険の基本手当を受けるには、原則として離職前2年間に被保険者期間が12か月以上必要です

倒産・解雇等による離職では、離職前1年間に6か月以上あれば受給資格を得られる場合があります。

スクロールできます
確認項目原則倒産・解雇等による離職
被保険者期間離職前2年間に12か月以上離職前1年間に6か月以上
就労できる状態すぐに就職できる能力が必要すぐに就職できる能力が必要
求職活動就職の意思があり、積極的に仕事を探している就職の意思があり、積極的に仕事を探している
手続き先原則として居住地を管轄するハローワーク原則として居住地を管轄するハローワーク
被保険者期間は、単なる在籍月数ではなく、賃金支払基礎日数または労働時間数の基準で数えます。

加入期間を満たしていても、次の就職先が決まっている人、学業や家事へ専念する人、病気やけがですぐ働けない人などは、基本手当の対象となる「失業の状態」に当てはまらない場合があります。

7日間の待期は受給資格決定日から数える

7日間の待期は、退職日の翌日から自動で進むわけではありません

ハローワークで求職申込みと離職票の提出を行い、受給資格が決定した日から、失業している日を通算して数えます

離職票の到着を待って何もせず過ごした期間が、そのまま待期として数えられるわけではありません。

離職票が届かない場合は待ち続けず、居住地を管轄するハローワークへ仮受付ができるか確認しましょう。
仮受付を始められる時期や必要書類は、管轄窓口で確認が必要です。

給付制限がない場合の初回入金まで

給付制限がない場合も、7日間の待期が終わった直後に入金されるわけではありません

指定された失業認定を受けた後、認定された日数分が振り込まれます

STEP
求職申込みと受給資格の決定

離職票などを提出し、ハローワークで求職申込みと受給資格の確認を受けます。

STEP
7日間の待期

受給資格決定日から、失業している日を通算して7日間待ちます。

STEP
指定日に失業認定を受ける

認定対象期間の就労・求職活動状況を申告し、失業状態の認定を受けます。

STEP
認定後に口座へ振り込まれる

振込先の金融機関によって異なりますが、失業認定後おおむね1週間程度が振込の目安です。

自己都合退職では原則1か月の給付制限がある

正当な理由のない自己都合退職で、退職日が2025年4月1日以降の場合は、7日間の待期後に原則1か月の給付制限があります

退職日からさかのぼって5年間に、正当な理由のない自己都合退職による受給資格決定が2回以上ある場合や、重大な理由による解雇では3か月となります

STEP
求職申込みと受給資格の決定

離職票などを提出し、離職理由と受給資格の確認を受けます。

STEP
7日間の待期

受給資格決定日から、失業している日を通算して7日間待ちます。

STEP
原則1か月の給付制限

自己都合退職では、待期終了後も基本手当が支給されない期間があります。

STEP
支給対象期間の失業認定

給付制限後の支給対象日について、指定日に失業認定を受けます。

STEP
認定後に口座へ振り込まれる

振込先の金融機関によって異なりますが、失業認定後おおむね1週間程度が振込の目安です。

一定の教育訓練等を受ける場合は、自己都合退職による給付制限が解除される制度があります。対象講座や申出時期、必要書類は、受講前にハローワークで確認しましょう。

初回入金日は、受給資格決定日、離職理由、指定された認定日によって変わります。
家賃や税金、保険料の支払期限が先に来る場合は、失業手当だけで間に合う前提にせず、各支払先へ相談しましょう。

雇用保険を受けられないときに使える支援

雇用保険の基本手当を受けられない場合でも、働ける状態で、ハローワークが職業訓練等の支援を必要と認めた人は、求職者支援制度職業訓練や就職支援を利用できます

受講料は原則無料ですが、テキスト代等は自己負担で、一部有料の訓練もあります

生活費、家賃、仕事の問題が重なっている人は、自立相談支援機関にも相談しましょう。

求職者支援制度|職業訓練と月10万円の給付は別に判定される

求職者支援制度では、雇用保険を受給できない求職者が、ハローワークの支援を受けながら職業訓練を受講できます。

職業訓練受講手当の月10万円は、次の8要件をすべて満たす人が対象です

スクロールできます
要件確認する内容
本人の収入月8万円以下
世帯全体の収入月30万円以下
世帯全体の金融資産300万円以下
不動産の保有現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
訓練への出席原則すべて出席。やむを得ない欠席を証明できる場合などでも8割以上
世帯内の受給者同じ世帯に、給付金を受けて訓練を受講している人がいない
過去の不正受給過去3年以内に、不正行為により特定の給付金を受けていない
過去の同給付金過去6年以内に職業訓練受講給付金を受けていない
収入には給与以外の年金、仕送り、養育費などが含まれる場合があります。世帯の範囲も同居家族だけとは限りません。

1つ目または2つ目の収入要件を満たさない場合でも、本人収入が月12万円以下、世帯収入が月34万円以下で、3〜8の要件を満たせば、通所手当の対象になる場合があります。

月10万円の給付要件を満たさなくても、給付を受けずに職業訓練を受講できる場合があります。

受講料以外の自己負担も含め、申込前に訓練条件を確認しましょう。

ハローワークでは、訓練へ申し込めるか、給付金の対象か、最初の給付申請がいつになるかを分けて確認しましょう。

生活困窮者自立支援制度|仕事・住まい・家計をまとめて相談する

生活困窮者自立支援制度は、特定の給付金を一つ支給する制度ではありません。

相談者の状況を整理し、仕事、住まい、家計、当面の生活に必要な支援へつなぐ入口です

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抱えている問題相談先で検討する主な支援相談時に伝えること
家賃を払えない住居確保給付金、居住支援家賃額、滞納状況、退去を求められているか
収支を整理できない家計改善支援預金残高、収入予定、毎月の固定費と返済
すぐ一般就労することが難しい就労準備支援働けない理由、生活リズム、支援が必要な期間
住居や当面の衣食がない一時生活支援、福祉事務所への接続今夜の居場所、食事、連絡手段の有無
複数の制度へ申請する必要がある支援計画の作成、関係機関への接続離職、病気、家賃、税・保険料など困りごとの全体
実施する支援事業は自治体によって異なります。最初の相談では制度名を決めず、現在の状況をまとめて伝えましょう。

制度名を自分で選び切れなくても相談できます。
現在の預金残高、最も近い支払期限、確定している次の入金、家賃や公共料金の滞納、現在働けるかをそのまま伝えましょう。

家賃を払えないときは住居確保給付金を確認する

退職や収入減少によって家賃を払えず、住居を失うおそれがある場合は、住居確保給付金の家賃補助を確認しましょう。

家賃が全国一律で全額支給される制度ではなく離職時期、世帯収入、金融資産、求職活動などの要件があります

対象になる離職・収入・資産・求職活動の条件

主な対象は、世帯の生計を主に維持していた人が離職・廃業後2年以内である場合、または本人の責任や都合によらず、給与等を得る機会が離職・廃業と同程度まで減った場合です。

離職・廃業後に、病気・けが・育児などで30日以上続けて求職活動ができなかった期間がある場合は、その日数を2年に加算し、最長4年以内まで対象期間が延びます。

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確認項目主な要件自分で用意する情報
離職・減収離職・廃業後2年以内。病気・けが・育児等で30日以上求職活動ができなかった期間がある場合は、その日数を加算して最長4年以内。または、本人の責任・都合によらない同程度の収入減少離職日、廃業日、勤務日数や収入が減った経緯
世帯収入直近月の世帯収入が、自治体の基準額と家賃上限額の合計以下本人と世帯員の給与、年金、事業収入など
金融資産世帯の預貯金が基準額の6か月分以下で、上限100万円本人と世帯員の預貯金残高
住居住居を失っている、または失うおそれがある賃貸借契約書、家賃請求、滞納通知
求職活動等ハローワークへの求職申込みや所定の活動を行う求職申込み、職業相談、応募状況
具体的な収入基準額、預貯金基準額、家賃上限は、居住自治体と世帯人数によって異なります。

申請先は、居住地域の自立相談支援機関です。
収入や資産の基準へ当てはまるか分からない場合も、世帯人数、直近月の収入、預貯金、家賃が分かる資料を持って相談しましょう。

支給額・期間・支給先を確認する

支給額は、世帯収入と実際の家賃をもとに計算され、生活保護の住宅扶助額が上限になります

世帯収入が基準額を超える場合は、その超過分だけ支給額が下がります

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世帯収入の状態支給額の考え方上限・支給先
世帯収入が基準額以下実際の家賃額を支給住宅扶助額が上限。自治体から家主・管理会社等へ直接支給
世帯収入が基準額を超える基準額+家賃額-世帯収入額住宅扶助額が上限。自治体から家主・管理会社等へ直接支給
共益費や管理費などは、家賃補助の対象に含まれない場合があります。申請先で対象費目を確認してください。

支給期間は原則3か月で、条件を満たして求職活動等を続ける場合は3か月ずつ2回まで延長され、最長9か月です。

給付金は原則として本人の口座ではなく、家主や管理会社等へ直接支払われます。

住居確保給付金で家賃を補えても、食費や公共料金の現金が増えるわけではありません。
家賃以外も不足する場合は、自立相談支援機関へ不足額全体を伝えましょう。

税金・国民健康保険料・国民年金保険料を払えないときの対処

退職して給与がなくなっても、税金や社会保険料の支払いが自動的になくなるわけではありません

国民健康保険料、国民年金保険料、住民税は仕組みと窓口が異なるため、別々に手続きを進めましょう

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支払い負担を軽くする主な方法主な確認条件相談先・用意するもの
国民健康保険料非自発的失業者向け軽減、自治体の減免・納付相談離職理由、退職時年齢、前年所得、世帯所得自治体の国保窓口
受給資格通知、保険料通知書
国民年金保険料全額・一部免除、納付猶予、失業等による特例免除:本人・配偶者・世帯主の所得
納付猶予:50歳未満の本人・配偶者の所得
共通:失業等の事実
市区町村の年金窓口・年金事務所
離職票等、基礎年金番号が分かるもの
住民税分割納付、徴収猶予、自治体独自の減免等の相談前年所得、現在の収入・資産、納期限、生活状況納税通知書を発行した自治体
納税通知書、収支・資産資料
制度の適用可否と手続き方法は、居住自治体や個人の状況で異なります。納期限前に担当窓口へ相談しましょう。

国民健康保険料|非自発的失業者向け軽減は離職理由で決まる

倒産、解雇、雇い止めなどで退職した人には、前年の給与所得を30%として国民健康保険料を計算する軽減制度があります

対象になるのは、退職時に65歳未満で、雇用保険受給資格者証または受給資格通知の離職理由番号が所定の番号に当てはまる人です。

対象となる離職理由番号
11・12・21・22・23・31・32・33・34

特例受給資格者と高年齢受給資格者は対象外です。

軽減を受けるには、国民健康保険の窓口へ別途申請する必要があります。

この制度は、保険料そのものが一律70%減る仕組みではありません。

前年の給与所得を30%として算定し直すため、もとの所得や保険料上限によっては、再計算後も保険料が変わらない場合があります。

対象となる離職理由番号に当てはまらなくても、世帯所得に応じた法定軽減や、自治体の減免・納付相談を利用できる場合があります。
受給資格通知と保険料通知書を持って相談しましょう。

国民年金|免除・納付猶予と未納は同じではない

国民年金保険料を払えない場合は、納付書を放置せず、保険料免除または納付猶予を申請しましょう

承認された期間と、手続きをせず払っていない未納期間では、将来の年金や障害・遺族年金への扱いが異なります。

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区分現在の支払い所得審査の主な対象将来の老齢基礎年金への反映
全額免除支払いなし本人・配偶者・世帯主免除期間の一部が年金額へ反映
一部免除減額された保険料を支払う本人・配偶者・世帯主免除割合と納付状況に応じて反映
納付猶予当面の支払いなし50歳未満の本人・配偶者追納しなければ年金額へ反映されない
未納支払っていない審査・承認なし年金額へ反映されず、受給資格や障害・遺族年金へ影響し得る
一部免除が承認されても、減額後の保険料を払わなければ、その期間は未納扱いになります。

失業等の特例では、失業した本人の前年所得にかかわらず審査を受けられます。

ただし、免除では配偶者・世帯主、納付猶予では配偶者の所得要件が残るため、失業しただけで自動的に承認されるわけではありません。

雇用保険受給資格者証、受給資格通知、離職票など、失業の事実が分かる資料を用意しましょう。

免除・納付猶予は、申請時点から2年1か月前の月分まで、納付済みでない期間についてさかのぼって申請できます。
ただし、申請を遅らせると、万一の障害・死亡時に年金を受けられないおそれがあるため、支払いが難しいと分かった時点で手続きを進めましょう。

住民税|退職後も前年所得に対する税額が残る

住民税は、原則として前年1月1日から12月31日までの所得をもとに課税されます

そのため、退職後に収入がなくても、退職前の所得に対する納税通知書が届くことがあります。

給与天引きが終わり、納付書で支払う普通徴収へ切り替わった後に一括納付が難しい場合は、納期限を過ぎる前に、通知書を発行した自治体の納税相談窓口へ連絡しましょう

失業しただけで住民税が自動的に免除されるわけではありません。
現在の収入、預貯金、生活費、ほかの支払いを伝え、分割納付や徴収猶予、自治体独自の減免に当てはまるかを確認しましょう。

給付・免除・減免・猶予・貸付の違いを手元資金で考える

退職後に利用する制度は、すべて「もらえるお金」ではありません。

手元へ現金が入るのか、支出が減るのか、後で支払いや返済が残るのかを分けて見ましょう

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種類手元資金への効き方後に支払い・返済が残るか主な例今回の不足額へ反映する時点
給付本人の口座へ入る、または家主等への支払いに充てられる原則として残らない失業手当
職業訓練受講給付金
住居確保給付金
支給決定と支給時期が確認できた後
免除・減免本来払う金額がなくなる、または減る原則として減った分は残らない国民年金保険料免除
国保料軽減
承認または再計算後の金額が確認できた後
猶予・分納当面の支出を後ろへ動かす税・保険料の分納は後日支払う。国民年金の納付猶予は10年以内に追納でき、追納しなければ老齢基礎年金額へ反映されない年金納付猶予
税・保険料の分納
税・保険料の分納は支払日・金額の合意後。国民年金の納付猶予は承認後
貸付手元へ借りた資金が入る返済が必要生活福祉資金
民間ローン
貸付決定と入金日、返済条件が確認できた後
申請中の給付や、相談前の猶予額は、確定した資金として不足額から差し引きません。

住居確保給付金は家主等へ直接支払われるため、本人の銀行口座へ生活費が入る制度ではありません

国民年金の納付猶予は、承認期間を未納扱いにしない制度です。

10年以内に追納できますが、追納しなければ、その期間は老齢基礎年金額へ反映されません。

対策後の不足額
= 元の不足額
- 支払期限までに受け取れることが確定した給付
- 支払期限までに減免・猶予された支払額

制度の名称ではなく、今回の支払期限までに手元資金や支出がどう変わるかを確認しましょう。

元の不足額が8万円でも、納期限前に3万円の支払いを調整できれば、当面の不足額は5万円になります。
これは仕組みを示す仮定例ですので、実際には窓口で確定した支払日と金額を使って再計算しましょう。

給付と支払相談でも足りない場合は公的貸付・生活保護を確認する

返済不要の給付、免除・減免、猶予や支払相談を反映しても生活費が足りない場合は、生活福祉資金などの公的貸付を確認しましょう。

食費や住居を維持できない状態なら、貸付の審査結果を待たず福祉事務所への相談も同時に進めましょう

生活福祉資金は審査と返済がある公的貸付

生活福祉資金貸付制度は、低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯などに対し、都道府県社会福祉協議会が資金の貸付けと相談支援を行う制度です。

失業や減収で生活再建が必要な場合は、総合支援資金の対象を確認しましょう

スクロールできます
資金の種類主な用途貸付限度額貸付期間・償還期限利子・保証人
生活支援費生活を立て直すまでの生活費単身:月15万円以内
2人以上:月20万円以内
貸付期間:12か月以内
償還期限:据置後20年以内
保証人あり:無利子
保証人なし:年1.5%
住宅入居費敷金・礼金など賃貸契約に必要な費用40万円以内償還期限:据置後20年以内保証人あり:無利子
保証人なし:年1.5%
一時生活再建費就職活動費、技能習得、公共料金滞納の立替えなど60万円以内償還期限:据置後20年以内保証人あり:無利子
保証人なし:年1.5%
表は制度上の貸付上限です。必要額、世帯状況、返済見込みなどを審査したうえで決まるため、上限額まで借りられることを示すものではありません。

連帯保証人は原則必要ですが、連帯保証人を立てられない場合でも貸付対象になります(その場合の貸付利率は原則年1.5%です)。

相談・申請の窓口は、原則として居住地域の市区町村社会福祉協議会です。

公的貸付でも返済義務があり、申請すれば必ず利用できるわけではありません。

貸付後に生活を立て直せるか、返済を見込めるかまで確認されます。

なお、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急小口資金・総合支援資金の特例貸付は、2022年9月末で新規申請を終了しています。

現在利用を検討する場合は、終了済みの特例ではなく、本則の生活福祉資金を確認しましょう。

食費や住居を維持できない場合は生活保護を申請できる

収入や資産、ほかの制度を活用しても生活を維持できない場合は、生活保護の相談・申請を検討しましょう

生活保護は世帯単位で、国が定める最低生活費と世帯収入を比べ、不足する分を保護費として支給する制度です。

  • 必要書類がすべて揃っていなくても申請できます
  • 住む場所がない人も、現在いる場所に近い福祉事務所へ相談できます
  • 同居していない親族へ先に相談することは、申請の条件ではありません

次の食事を確保できない、家賃滞納で退去を求められている、電気やガスが止まるなど、生活を維持できない状態では、貸付や失業手当の結果だけを待たないでください。

福祉事務所へ、現在の預金残高と今日困っていることを伝えましょう。

民間借入を検討できるのは返済日と返済原資が確定している場合だけ

民間借入を検討できるのは、公的支援と支払相談を確認した後も、確定した入金日までの一時的な不足だけが残る場合です

「次の仕事が決まれば返せる」「失業手当が入るはず」という状態は、返済原資が確定しているとはいえません

各社所定の申込条件と審査があり、条件を満たしていても利用できるとは限りません。

借入を検討できる状態

次の条件をすべて数字で確認できる場合に限り、必要最小限の借入額を検討できます。

  • 不足額と支払期限が確定している
  • 次の入金日と手取り入金額が確定している
  • 新たな借入の毎月返済額と総返済額を事前に計算できる
  • 既存借入を含め、返済後も家賃・食費・税金・保険料を払える
  • 借入先が財務局長または都道府県知事の登録を受けた貸金業者である

返済後に生活を維持できるかは、確定した手取り収入から、生活費とすべての返済額を差し引いて確認しましょう。

返済後に残る生活資金
= 確定した手取り収入
- 家賃・生活費・税金・保険料
- 既存借入の返済額
- 新たな借入の返済額

この計算で必要な生活費が残らない場合は、借入額を減らすだけでは解決しません。

追加借入へ進まず、公的窓口や返済相談を利用しましょう。

追加借入を避ける状態

次のいずれかに当てはまる場合は、民間借入より相談を優先しましょう。

  • 次の就職先や給与支給日が決まっていない
  • 失業手当や給付金が申請中で、支給日と金額が確定していない
  • 既存のローンやクレジットカード代を返済できていない
  • 別の借入を返すために、新たに借りようとしている
  • 借入後も毎月の収支が赤字になる
  • SNSの個人間融資や、登録を確認できない業者を利用しようとしている

借入先を検討するときは、金利だけでなく、借入額、返済期間、毎月の返済額、総返済額をそろえて比較しましょう。

正規業者かどうかは、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで商号・登録番号・所在地・電話番号を照合し、不明点は登録先の財務局・都道府県へ確認しましょう。

日本貸金業協会では、返済シミュレーションや借入・返済の相談を利用できます。

公的支援と支払相談を確認しても、確定した入金日までの一時的な不足だけが残る人は、必要額と総返済額を確認したうえで借入の要否を判断しましょう。

次の収入が決まっていない場合や、借入後も生活費が不足する場合は、追加借入へ進まず、自立相談支援機関や返済相談窓口へ連絡してください。

\ 実はもっと貯められる!? /

家計相談、将来設計、資産運用

お金の困ったは、
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急な出費の乗り切り方から家計の見直しまで、プロ監修の情報を無料配信中。

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相談前に用意するもの|支払期限と不足額を1枚にまとめる

相談先を決めたら、今日から次の確定入金日までの支出と入金日付順に並べましょう

制度の条件をすべて理解してから相談する必要はありません

手元にある資料と、分かる範囲の数字を持って連絡できます。

支払日・入金日・残高を時系列で並べる

次の表へ、自分の支払日、支出、確定入金、残高を記入しましょう。

残高が初めてマイナスになる日より前に、該当する支払先と公的窓口へ相談しましょう

スクロールできます
日付内容支出確定入金支払い後の残高相談先
現在預金残高____円
__月__日家賃・住宅費____円____円家主・管理会社
自立相談支援機関
__月__日食費・公共料金____円____円各支払先
自立相談支援機関
__月__日税・社会保険料____円____円自治体の各担当窓口
__月__日最終給与など____円____円
__月__日その他の支払い____円____円該当する支払先
支給が決まっていない失業手当や給付金、入社日・支給日が未確定の給与は「確定入金」へ入れません。

支払日を過ぎてからではなく、残高が不足する前に相談しましょう。
支払先へ連絡するときは、全額をいつ払えるか分からなくても、現在の残高と次の確定入金日を伝えます。

離職・収入・家賃・納付書の資料をそろえる

相談時には、本人確認、離職、収入、資産、住居、支払いが分かる資料を用意すると状況を伝えやすくなります。

すべて揃うまで相談を遅らせる必要はありません

  • 本人確認書類
  • 離職票、雇用保険受給資格者証または受給資格通知
  • 直近の給与明細、最終給与の支給予定が分かる資料
  • 本人と世帯員の預金通帳、インターネット銀行の残高画面
  • 賃貸借契約書、家賃の請求書、滞納が分かる通知
  • 国民健康保険料、国民年金保険料、住民税の納付書
  • 公共料金、ローン、クレジットカードなどの請求書
  • 病気やけがで働けない場合は、受診状況や健康保険の手続きが分かる資料

制度ごとに必要書類は異なりますが、手元にない書類があっても、相談先へ先に連絡し、後から用意するものを確認しましょう。
生活保護は、必要書類がすべて揃っていないことだけを理由に申請できなくなる制度ではありません。

【Q&A】退職後のお金と公的支援の疑問に答える

最後に、退職後の生活費や公的支援で迷いやすい点をQ&Aで確認しましょう。

退職後すぐに生活費や家賃が足りないとき、最初にどこへ相談すればよいですか?

今日または今週中の食費・家賃・光熱費が足りない場合は、失業手当の入金を待たず、自立相談支援機関または福祉事務所へ連絡しましょう。

現在の預金残高、最も近い支払期限、次に入ることが確定している収入を伝えましょう。

生活保護は、必要書類がすべて揃っていなくても申請できます。

失業手当は退職後7日で振り込まれますか?

いいえ。

7日間は、ハローワークで受給資格が決定した日から数える待期であり、振込までの日数ではありません。

待期後に失業認定があり、自己都合退職などでは給付制限も加わります。

初回入金日は、受給資格決定日、離職理由、指定された認定日によって変わります。

離職票が届かないときはどうすればよいですか?

届くまで待ち続けず、居住地を管轄するハローワークへ仮受付ができるか確認しましょう。

仮受付を始められる時期や必要書類は、管轄窓口で確認が必要です。

病気やけがですぐ働けない場合も失業手当を受けられますか?

雇用保険の基本手当は、すぐに働ける状態であることが前提です。

働けない状態が30日以上続く場合は受給期間延長の対象になり得ます。

加入していた健康保険とハローワークへ、傷病手当金の継続給付と受給期間延長の条件を確認しましょう。

雇用保険の基本手当を受けられない場合、ほかの支援はありますか?

働ける状態で、ハローワークが支援を必要と認めた人は、求職者支援制度で職業訓練や就職支援を利用できます。

職業訓練の利用と月10万円の職業訓練受講手当は別に判定されます。

生活費も不足する場合は、自立相談支援機関にも相談しましょう。

退職後に家賃を払えない場合、住居確保給付金を受けられますか?

住居を失うおそれがあり、離職・減収、世帯収入、金融資産、求職活動などの要件を満たす場合は、住居確保給付金の対象になり得ます。

支給額と家賃上限は自治体と世帯人数で異なり、給付金は原則として家主や管理会社等へ直接支払われます。

申請先は居住地域の自立相談支援機関です。

国民健康保険料・国民年金保険料・住民税を払えないときはどうすればよいですか?

3つは仕組みと窓口が異なるため、別々に手続きを進めましょう。

国民健康保険料は軽減・減免・納付相談、国民年金保険料は免除・納付猶予、住民税は分割納付や徴収猶予などを、納期限前に各担当窓口へ相談しましょう。

退職後に民間からお金を借りてもよいですか?

民間借入を検討できるのは、公的支援と支払相談を反映しても、確定した入金日までの一時的な不足だけが残る場合です。

各社所定の申込条件と審査があり、利用できるとは限りません。

次の収入が未確定、既存返済が難しい、借入後も赤字となる場合は、追加借入へ進まず相談を優先しましょう。

終わりに|今日連絡する窓口を1つ決める

退職後にお金がないときは、失業手当の入金だけを待つのではなく、今日または今週中に支払うものから対応する必要があります

現在働ける人はハローワーク、家賃や生活費が足りない人は自立相談支援機関へ連絡しましょう。

国民健康保険料、国民年金保険料、住民税は、それぞれの担当窓口へ納期限前に相談しましょう。

食費や住居を維持できない場合は、公的貸付や給付の結果を待たず、福祉事務所へ相談できます。

民間借入は、公的支援と支払相談を反映しても残る短期不足について、返済日と返済原資を確定できる人だけが検討する手段です

制度をすべて調べ終えることより、自分の状態に合う窓口へ今日1件連絡することから始めましょう。

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引用・参考出典

本記事で参照した主な公式・公的情報は、次のとおりです。

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