クレジットカードのキャッシング枠は現金が必要なときに役立つ
ほとんどの方がクレジットカードを少なくとも所持する現代。急に現金が必要になったとき、最も手軽に入手できる方法といえばクレジットカードのキャッシングサービスの利用です。
キャッシング枠はカード会社のマイページ等から確認できる
クレジットカードを使ってキャッシング、つまり銀行ATMなどから現金を引き出す際、まず確認したいのがキャッシング枠です。
クレジットカードのWeb明細を見ることのできるマイページなどからキャッシング枠が確認できます。
契約時にキャッシング機能をつけると利用可能額にキャッシング枠が設定される
クレジットカード契約時にキャッシング機能をつけた方は、クレジットカードの利用可能額の枠内にキャッシング枠が設定されています。
キャッシング利用枠の上限までなら基本的にいつでも現金を引き出せます。
クレジットカードによっては、新規申込みの際にキャッシング枠を0円に設定することもできます。
キャッシング枠を0円に設定するとカードの審査に通りやすい
ショッピングクレジットは「総量規制 ※」の対象外です。そのため、一般的に、キャッシング枠をつけない場合、カードの新規申込時に審査が通りやすくなります。
※貸金業者に消費者への年収の3分の1を超える貸付けを禁止する仕組み。
キャッシング枠が0円だと、ショッピングクレジットのみの利用となり、キャッシング枠を使った現金の入手ができません。
キャッシング枠が0円でも後から設定変更できる
クレジットカードにキャッシング枠が設定されていなくても、後から設定できます。
クレジットカード会社各社の公式サイトに設定方法が記載されています。主に、インターネットや電話、申込書の郵送で設定します。
キャッシングサービスの利用枠の設定方法
一例として、JCBカードでのキャッシングサービスの利用枠の設定方法を見てみましょう。
キャッシングサービスのご利用には「ご利用可能枠の設定」が事前に必要です。
ご利用の流れ
①ご利用枠の設定
②お借り入れ
③返済
ご利用可能枠の設定を設定済みの方はそのまま利用できます。(申込み不要)
設定する場合:
・インターネット
・電話(JCBファイナンスデスク 0120-833-633)
・「キャッシングサービスご利用可能枠増額申込書兼再設定申込書(コードナンバー:0071380)」を請求、必要事項を記入のうえ、JCBまでご返送ください。
- 出典:キャッシングサービスご利用の前に|JCB
設定手続きをしてもすぐにはキャッシングを利用できない
各社とも所定の審査があります。現在の収入状況や、過去の取引情報、そして現在の借入状況などを勘案して、問題ないと判断されたらキャッシングサービスが利用可能になります。
クレジットカード各社では、申し込み時に希望限度額を指定できます。この希望を参考にカード会社の判断で限度額が決定されます。なお、希望限度額が大きいと、収入証明書類の提出が必要になることがあります。
なるべく早く借りたいという思っている方は、書類を早めに準備したほうがよいでしょう。特に、他のカードや別の方法で借入れがある方は、希望限度額が大きくなりすぎないように注意が必要です。
クレジットカードのキャッシング枠の金利はショッピング枠と異なることが多い
クレジットカードのキャッシング枠を使って借り入れするときに気をつけたい点として、金利があります。
実は、金利手数料は各社で異なるのです。また、ショッピング枠とキャッシング枠との間でも異なることが多いです。
目的次第では、カードで支払わずキャッシングした現金で支払うことで損をするケースも! 金利手数料を確認することが大切です。
主要クレジットカードのショッピング枠・キャッシング枠の金利
早速、主要クレジットカードのショッピング枠とキャッシング枠の金利手数料を比較して確認してみましょう。
複数のクレジットカードを所有している方は、ぜひお持ちのカードの金利手数料を見比べてみましょう。どのクレジットカードで利用したらお得なのか、以下の表をご参考ください。
カード名 | ショッピング枠(%) | キャッシング枠(%) |
---|---|---|
楽天カード | 12.25 ~15.00 | 18.00 |
JCBカード | 15.00 | 15.00~18.00 |
dカード | 12.00 ~14.75 | 18.00 |
リクルートカード | 12.25 ~15.00※ | 14.95 〜18.00※ |
au PAYカード | 12.25 ~15.00 | 14.95 ~17.95 |
イオンカード (WAON一体型) | 10.05 ~12.04 | 7.80 ~18.00 |
エポスカード | 15.00 | 18.00 |
ライフカード | 12.20 ~14.90 | 15.00 ~18.00 |
ANA JCB 一般カード | 15.00 | 15.00 ~18.00 |
VIASOカード | 12.25 ~15.00 | 17.94 |
オリコカード THE POINT | 12.20 ~15.00 | 15.00 ~18.00 |
ソラチカカード | 15.00 | 15.00 ~18.00 |
最大値の最頻値 | 15.00% | 18.00% |
※ブランドにより異なる。
ショッピング枠とキャッシング枠の金利には差がある
以上の表にあるように、ショッピング枠とキャッシング枠の金利には差があります。概ね、ショッピング枠は12.00~15.00%、キャッシング枠は15.00~18.00%。キャッシング枠のほうが金利が高い傾向があります。
- クレジットカードの金利は「キャッシング枠 > ショッピング枠」
- キャッシング枠の金利はほとんどの会社で18%と高め
買い物が目的ならショッピング枠で決済するほうが金利の面でお得
買い物が目的なら、クレジットカードで決済するほうがお得といえます。
クレジットカードのキャッシングは金利が高めです。また、総量規制の対象となるため利用額に制約があります。それでも、キャッシング枠内であれば即日で現金を手に入れられるというメリットは大きいでしょう。
クレジットカードのキャッシング枠の利用方法は複数ある
クレジットカードのキャッシング枠を利用したい場合、どのような手続きが必要なのでしょうか。
クレジットカードのキャッシングには、2つの方法があります。
- 登録してある自分の口座に現金を振り込んでもらう
- 自分でATMで操作をして現金の借り入れ手続きを行う
実際の例を参考にしてみましょう。
クレジットカードのキャッシングでお金を引き出す方法
JCBカードを参考とし、手順をご紹介します。各社だいたい同じような手順ですので、参考にしてみてくださいね。
Webから振込依頼をして振り込んでもらう
インターネットでMy JCBにログインして、キャッシングの借入額を指定して申し込むと、最短数十秒で登録している口座へ振り込んでもらえます。振込にかかる時間は、利用時間帯によって異なりますので、確認してみてください。
自分で銀行ATMからキャッシング
銀行ATMにJCBのクレジットカードを挿入して行うキャッシングもあります。「希望の取引の選択」で、キャッシング1回払いなら「キャッシングサービス」ボタンを、キャッシングリボ払いなら「カード・ローン」ボタンを押下するのがポイントです。
- 「クレジットカード」ボタンを押下
- 「お引き出し」ボタンを押下
- JCBカードを挿入し、暗証番号を入力
- 希望の取引を選択
- 利用金額を入力
- JCBカードと利用明細票を受け取る
自分でセブン銀行ATMからキャッシング
セブン銀行ATMでもJCBカードでキャッシングできます。「希望の取引の選択」で、キャッシング1回払いなら「キャッシングサービス」ボタンを、キャッシングリボ払いなら「カード・ローン」ボタンを押下します。
- JCBカードを挿入
- 「お引き出し」ボタンを押下
- 暗証番号を入力
- 利用金額を入力
- 希望の取引を選択
- 「確認」ボタンを押下
- JCBカードと利用明細票を受け取る
自分でゆうちょ銀行ATMからキャッシング
ゆうちょ銀行ATMでもJCBカードのキャッシングが可能です。「希望の取引の選択」では、キャッシング1回払いなら「一括」ボタン、キャッシングリボ払いなら「リボルビング」ボタンを押下します。
すぐに現金を手にしたい場合はATMからのキャッシングがおすすめ
すぐに現金を手にしたいなら、自分でATMからキャッシングするのが最も手軽でおすすめです。もしATMがお近くにない場合、店頭で並んで待つのを避けたい場合は、事前にネットから申し込んでおくのがスムーズなのでおすすめですよ。
クレジットカードのキャッシング枠は一括返済やリボ払いが可能
クレジットカードのキャッシング枠から現金を引き出した後はどのように返済していったらいいのでしょうか。
クレジットカードでキャッシング利用した際の返済方法を確認していきましょう。まずは一括で返済する場合をJCBカードを参考にしてご紹介しますね。
JCBカードの場合、毎月15日締め、翌月10日に支払い元金と手数料の合計が一括で口座から引き落としされます。間違いないように口座に入金しておけば大丈夫です。
返済までの日数によって返済総額が変わる
金利が18%であっても、返済総額が1.8割増しの118,000円になるわけではありません。返済までの日数によって金額が変わります。
カード会社の締め日をまたいでキャッシング利用日が1日違うだけでも、返済までの日数が変わります。金利の影響を小さくして返済総額を抑えたいなら、給与の支給日と各カード会社の締め日・返済日などを参考にして、返済までの日数を短くするようにしてください。
一括返済が難しい場合はリボ払いがおすすめ
一括返済が難しい場合、リボ払いも利用できます。リボ払いとは、「リボルビング払い」の略で、毎月の支払額を一定の金額に設定して手数料と一緒に返済していくという仕組みです。分割払いは支払う回数ですが、リボ払いは毎月の支払額を決めて返済します。
例えば10万円をキャッシングで借り入れる際、10万円を一括で返すのが難しくても、毎月少額を一定額で返済することが可能です。
リボ払いは長期的にみると返済総額が大きくなるデメリットがある
毎月の返済額を少額にすると、その分返済期間が伸びます。あまりに長期化すると金利手数料だけでも大きな金額になる恐れがあるので、払えるようになったら返済額を調整しましょう。
まとめ
クレジットカードのキャッシング枠を利用するキャッシングは、
- 借入れにあたってお金の使い途を問われない
- 担保・保証人が必要ない
のが特徴。
他方、銀行でローンを組む場合、住宅ローンのように利用目的が限定されたり、担保や保証人も必要になったりします。
この点、クレジットカードのキャッシング枠の利用なら、利用目的を問われることもなく、無担保で保証人も不要。この気軽さが便利ですよね。
急に現金が必要になった場合は、クレジットカードのキャッシングとカードローンについて、
- 利用金額
- 返済期間
- 審査のスピード感
- 返済方法
なども検討して、ご自身に最適な方法をみつけてくださいね。