リボ払いとは
「リボ払い」は、クレジットカードの利用金額の返済方法の一つです。
利用件数や利用総額にかかわらず、リボ払いに設定しておくと支払いは毎月一定額でOK。なかなか手が出せない高額商品の購入ハードルも下がりますね。
ーリボ払いの利用例ー
旅行先で色々買ってしまったけれど、請求額確定前に一括払いからリボ払いに支払方法を変更したら、今月を乗り切れた!
大事な友人の結婚式が重なってご祝儀と交通費をキャッシング。ボーナスが入ったらリボ払いの返済額を増額して、残りを全部支払う予定。
【特徴】ショッピングでリボ払いをすると手数料がかかる
ショッピングでリボ払いした場合、利用残高の一部に加えて手数料を返済する必要があります。
ショッピングリボ払いの手数料率は、クレジットカード各社や利用するカードの種類ごとに異なり、一般的なショッピングリボ払いの手数料率は実質年利10〜15%程度です。
【特徴】キャッシングでリボ払いをすると利息がかかる
キャッシングの返済方法をリボ払いにする場合でも、利用残高の一部に加えて利息を返済することになります。
キャッシングリボ払いの貸付利率も、クレジットカード各社や利用するカードの種類ごとに設定されており、一般的なキャッシングリボ払いの貸付利率は実質年利7.8〜18%程度です。
【特徴】手数料・利息は利用残高・金利・利用日数で決まる
ショッピング・キャッシングのリボ払いの手数料・利息は、利用残高と金利(手数料率・貸付利率のこと)、利用日数の3つの要素をもとに決まります。
計算方法としては下記の通りです。
手数料・利息=利用残高×金利×利用日数÷365日
同じリボ払いでも、ショッピングの手数料率とキャッシングの貸付利率では、キャッシングリボ払いのほうが利率が高いです。リボ払いの利用残高が長く残る見込みなら、ショッピング目的の支払いにはショッピングリボ払いを利用したいですね!
リボ払いが「やばい」と呼ばれる理由
ここまで、リボ払いの特徴について紹介してきました。
しかし、Googleの検索画面には「リボ払い やばい」「リボ払い デメリットしかない」などのキーワードが並んでいる状態です。
ここからは、リボ払いがなぜ”やばい”と呼ばれているかについてわかりやすく解説していきます。
手数料が高めに設定されている
カード会社によって差はありますが、リボ払いの手数料は15.0%~18.0%前後です。
通常のカードローンなどに比べ、高めに設定されています。
例題1:20万円の商品を一括払い・リボ払いで返済する際の違い
※リボ払いは毎月1万円返済、手数料は15%とする
返済期間 | 総返済額 | 総手数料 | |
---|---|---|---|
一括払い | 1ヶ月 | 200,000円 | 0円 |
リボ払い | 20ヶ月 | 225,812円 | 25,812円 |
一括払いとリボ払いの支払いでは、約25,000円も差が出ることがわかりました。
次にもっと借入金額が多い場合どうなるか見ていきましょう。
例題2:100万円の商品を一括払い・リボ払いで返済する違い
※リボ払いは毎月3万円返済、手数料は15%とする
返済期間 | 総返済額 | 総手数料 | |
---|---|---|---|
一括払い | 1ヶ月 | 1,000,000円 | 0円 |
リボ払い | 34ヶ月 | 1,212,424円 | 212,424円 |
例題2の場合、20万円ほどの差が出ます。リボ払いだと、借入額の約1/5を手数料として支払う必要があるとわかりました。
完済まで時間がかかる
リボ払いは毎月の支払額が決まっていますが、設定した支払額が低いと元金が減りません手数料ばかり払い続けていたなんてことも考えられます。
そのため、完済できるまでかなりの時間が必要です。
危機感を持ちずらい
毎月の支払いは続けている認識はあるので、大丈夫と思ってしまう方もいらっしゃいます。
このように払い続けているお金は手数料が大半で、元金が減ってない可能性もあるので注意してください。
自動でリボ払いになっているクレジットカードもある
自分では一括払いのつもりだったのに、実は支払い設定がリボ払いだったこともあります。これは、クレジットカードには「リボ払い専用カード」も存在しているためです。
他にもリボ払いには多くの種類があるので、詳しくは下記の【利用方法はクレジットカード・カード種類によって異なる】を参照ください。
利用方法はクレジットカード・カード種類によって異なる
「勝手にリボ払いになっている」とお伝えしましたが、同じクレジットカード会社でもカードの種別によってリボ払いの設定は異なります。
自分が使っているカードはどれに該当するか確かめてみてください。
リボ払い専用カード
支払いはリボ払いのみの専用クレジットカードです。一般的には通常のクレジットカードと比べ、審査が甘いとされています。
自動リボ払い(事前登録型)
一般的なクレジットカードで、「以後の支払いを自動でリボ払いにする」と登録した場合にリボ払いが利用可能です。
そのため、店頭で「1回払い」と指定してもすべての利用額はリボ払いとなります(パソコンやスマホでクレジットカードのマイページにアクセスして設定を変更します)。
利用時選択式
支払いの都度、1回・分割・リボ払いから支払方法を選択していく方式です。
あとからリボ払い
クレジットカードでの支払い後に、カード会社の指定する期間内に支払い方法をリボ払いに変更します。
計画的に使いやすいリボ払いは「利用時選択式」と「あとからリボ払い」です。カードの入会の際は、リボ払いに関してどのような要件であるか、しっかり確認することが必要です。
リボ払いの返済には2つの種類がある
ここからはリボ払いの返済方法について紹介していきます。
2つの方法があるので、利用する際は自分に合った方法を選んでください。
定額方式→毎月一定額を返済していく
「定額方式」では、その月の利用額やそのカードでの利用残高にかかわらず、自分があらかじめ決めた一定額の弁済金(支払額)を毎月支払う方式のことです。
定額方式はさらに、「元金定額方式」と「元利定額方式」の2つに分けられます。
返済を早めたいなら「元金定額方式」
毎月一定額を利用残高(元金)に充当していく元金定額方式。
例として、毎月の支払額を定額の1万円にした場合、1万円は元金充当金となり、別途手数料・利息(利用残高×利率)を支払う必要があります(その月の支払額は1万円を超えます)。
元金定額方式には、利用残高をすみやかに返済していくため、手数料・利息の総額も抑えやすい利点があります。
計画的に返済しやすい「元金定額方式」
利定額方式は、毎月の弁済金が一定になっているのが特徴です。
毎月1万円を支払うことにした場合、1万円の中に元金充当金とともに手数料・利息(利用残高×利率)も含まれます。
手数料・利息を細かく把握しなくてよいことから、計画的に返済しやすい利点があります。
残高スライド方式→利用残高に応じて返済額が変動する
「残高スライド方式」では、カード会社の指定する金額設定に従って、カードの利用残高に応じてその月の弁済金(支払額=元金充当金+手数料・利息)が変動する方式です。
利用残高の大きいときには多めに返済できる点が計画的な返済に役立ちます。
こんな使い方は危険!リボ払いで失敗する2つの要因
金融業界やクレジット会社がさまざまな啓蒙活動をしていることもあり、リボ払いのリスクについて認識が広がってきました。しかし、現在もリボ払いを利用しているうちに返済が難しくなってしまう方はいます。
リボ払いで「やばい」状態になってしまう大きな要因は、以下の2点です。なぜリボ払いを続けるうちに返済が難しくなってしまうのか、各要素について確認していきましょう。
「無計画なリボ払い」を繰り返す
無計画なリボ払いを続けると利用残高が大きくなります。それにともない、最低支払い金額も上昇。気づいた頃には、「こんなに払う必要があるのか」となり、資金繰りが難しくなっているかもしれません。
最低支払金額とは、各カード会社が定めている毎月支払う最低限の金額のことです。残高スライド方式だと、利用額が上がるたびに最低支払金額も上昇します。
「無自覚のリボ払い」を続けている
クレジットカードを利用していても、リボ払いと知らずに使っている場合もあります。
前述した方法の内、リボ専用カード・自動リボ払い(事前登録)は意図せずに使って、明細を見て初めて知った方もいらっしゃいます。
クレジットカードの入会時には、リボ払いの設定になっていないか確認しましょう。
リボ払いを安全に使うには
リボ払いも特徴を把握しておけば、安全に使うことが可能です。
ここでは、リボ払いを使う際に知っておきたい使い方やコツを紹介していきます。
明細は毎月確認する
リボ払いは毎月支払いが続くので、未払い金はどの程度残っているのか把握しておくことも重要です。
そのため、利用明細は毎月確認してください。支払いに余裕があるなら、一括払いにするなど変更するのがおすすめです。
リボ払いでの買い物は最低限に抑える
クレジットカードでの支払いは全てリボ払いにするのでなく、高額商品を購入する時に使うなど必要最低限の利用に留めておきましょう。
使い続けると未払い金の残高の把握も難しくなってしまいます。
事前にリボ払いシミュレーションを利用する
リボ払いシミュレーションとは利用予定金額や手数料率(実質年率)などを入れるだけで、支払いに必要な年数や毎月の支払い額がわかるシステムです。
リボ払いを提供している多くのカード会社のホームページで、無料かつ匿名で試すことができます。
リボ払いの負担を軽くする方法
リボ払いの支払いが負担になり、生活が苦しいとなっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、リボ払いの負担を軽くしたり、なくす方法を紹介していきます。
一括返済をおこなう
「一括返済」とは借りた金額を一度に支払う方法です。
お金に余裕がある方にしかおすすめはできませんが、不要な利息も払わずに済むので、毎月支払うより安く返済が完了できます。
毎月の支払いにプラスして残高の一部を支払う「繰り上げ返済」と呼ばれる返済方法もあります。
カードローンに乗り換える
リボ払いからカードローンに切り替えることも可能です。
リボ払いより金利が低い会社なら、金利分は安くできるのがポイント。反対にリボ払いより金利が高いカードローンを選んだ場合、負担が増えてしまいます。
カードローンについて詳しくは下記記事も参照ください。
[blogcard url=https://ca-rent.jp/media/8634/]
債務整理をおこなう
支払いができないとなった場合は、債務整理も視野に入れてください。
支払額の減額もしくは免除ができ、問題は解決できますが、クレジットカードが使えなくなるなどのリスクも存在します。
大きなメリット・デメリットがある方法なので、利用する際は弁護士に相談するなど慎重におこないましょう。
債務整理について詳しくは下記記事も参考にしてください。
[blogcard url=https://ca-rent.jp/media/2954/]
【Q&A】リボ払いの疑問点
リボ払い使用する前に知っておきたい疑問点をまとめました。
リボ払いはなぜ規制されないのか
「使っていたクレジットカードが実はリボ払いだった」「返済までに時間が必要になる」など、リボ払いの問題点を紹介してきました。
そこで、なぜ国はリボ払いを規制しないのかと疑問に思った方も多いのでは?
理由としては、リボ払いは手数料などは高めですが、あくまで貸金業法の範囲で設定されたものです。そのため、違法ではないため規制されることはありません。
また、高額な商品だけどリボ払いが使えるから購入できるなど、一部の消費者のニーズも満たせていることも特徴です。
リボ払いと分割払いの違い
クレジットカードにはリボ払い以外にも「分割払い」と呼ばれる支払い方法も存在します。
違いやメリット・デメリットは以下の通りです。
リボ払い | 分割払い | |
---|---|---|
特徴 |
| 買い物ごとに支払い回数を指定する。 |
メリット | 毎月の支払い金額を一定にできる。 繰り上げ金など返済額を多くできる。 | 指定回数で支払いが終わるので返済期間が明確。 リボ払いに比べ手数料が低い。 |
デメリット | 完済までの期間が長い。 支払う合計金額がわかりずらい。 | 追加の支払いができない。 |
分割払いは2回払いまでなら手数料が無料で利用できるなど、リボ払いよりも手数料総額は低くできます。
反対に、一括払いなど途中で変更したりはできません。
【まとめ】上手に使えばリボ払いも怖くない
リボ払いの手数料率は他の借入サービスに比べて高めです。しかし、高額な買い物をするときなど便利に活用されている方も多数いらっしゃいます。
無理のない範囲で使用しながら、余裕がある月は繰り上げ返済をするなど、臨機応変に使いながら手数料・利息の総額を抑えましょう!
リボ払いの上手な使い方のポイント