「リボ払い」には月々の支払額を抑えられるメリットが便利です。しかし、手数料や利息の負担が大きく、正しく使わないと「やばい」状態になるともいわれます。
実際、リボ払いの上手な使い方を知らないと危険です。クレジットカードの入会時に気軽に「すべてリボ払いにする」設定にしてしまい、後から請求額を見て手数料・利息に驚愕したという話もしばしば耳にします。
適切に利用できるなら、お金に余裕のないとき、避けられない高額な出費を上手く支払っていける便利なリボ払い。分割払いとの違いや、どういった場合にリボ払いが活用てできるのか、金利・手数料シミュレーションとともに解説していきます。ぜひご参考くださいね。
執筆者 おかねの教科書 編集部
おかねの教科書編集部です。
目次
「リボ払い」はクレジットカードの利用金額の返済方法の一つ。利用件数や利用総額にかかわらず、毎月一定額を支払っていく支払い方法です。
ショッピングやキャッシングでまとまった金額を支払っても、毎月一定額で返済していけます。また、途中で支払額の金額変更が可能です※。
旅行先で色々買ってしまったけれど、請求額確定前に一括払いからリボ払いに支払方法を変更したら、今月を乗り切れた!
大事な友人の結婚式が重なってご祝儀と交通費をキャッシング。ボーナスが入ったらリボ払いの返済額を増額して、残りを全部支払う予定。
リボ払いとしばしば比較される分割払いは、ショッピングの利用額を分割で支払う方法です。
分割払いは、リボ払いと同じく手数料がかかります。
しかし、分割2回払いだけは手数料が無料であるほか、同じ支払い回数であってもリボ払いよりも分割払いのほうが手数料総額が低いです。
ただし、分割払いではリボ払いのような繰上返済はできません。
▼リボ払いと分割払いの違いや、それぞれのメリット・デメリットを詳しく知りたい方はこちら↓
リボ払いと分割払いの違いは?どちらがお得?クレジットカードの使い分け方をわかりやすく解説
クレジットカードで1回払いの決済をした場合、返済は利用額のみとなりますが、リボ払いの場合、利用残高に加えて手数料(または利息)を支払う必要があります。
ショッピングでリボ払いした場合、利用残高の一部に加えて手数料を返済する必要があります。
ショッピングリボ払いの手数料率は、クレジットカード各社や利用するカードの種類ごとに異なります。一般的なショッピングリボ払いの手数料率は実質年利10.05~15.00%程度。
キャッシングの返済方法をリボ払いにする場合、利用残高の一部に加えて利息を返済することになります。
キャッシングリボ払いの貸付利率も、クレジットカード各社や利用するカードの種類ごとに設定されています。一般的なキャッシングリボ払いの貸付利率は実質年利7.80~18.00%程度です。
クレジットカードのキャッシング枠はどういうもの?現金を手にする方法と注意点
ショッピング・キャッシングのリボ払いの手数料・利息は、利用残高と金利(手数料率・貸付利率のこと)、利用日数の3つの要素をもとに決まります。
手数料・利息=利用残高×金利×利用日数÷365日
同じリボ払いでも、ショッピングの手数料率とキャッシングの貸付利率では、キャッシングリボ払いのほうが利率が高いです。リボ払いの利用残高が長く残る見込みなら、ショッピング目的の支払いにはショッピングリボ払いを利用したいですね!
クレジットカードのリボ払いの利用方法は4つに分かれます。
リボ払いは、クレジットカード会社によって利用できる方法が異なるほか、同じクレジットカード会社でもカードの種別によって設定が異なります。
リボ払いでのみ支払いできるカードで支払う。(一般的なクレジットカードより審査が甘いという説あり。)
一般的なクレジットカードで「以後の支払いを自動でリボ払いにする」よう登録した場合に利用可能。店頭で「1回払い」と指定してもすべての利用額はリボ払いとなる。(入会時の入力画面で事前登録にチェックが入っているカードもあるため、要確認。)
一般的なクレジットカードでの支払いで、利用の都度1回/分割/リボ払いから支払方法を選択するが、その際にリボ払いを指定。
クレジットカード支払い後、カード会社の指定する期間内に支払い方法をリボ払いに変更する。(1回払い・分割2回払いの場合。3回以上の分割払いはリボ払いに変更できないカード会社がほとんど。)
上記のなかで、計画的に使いやすいリボ払いは「利用時選択」と「あとからリボ払い」です。カードの入会の際は、リボ払いに関してどのような要件であるか、しっかり確認することが必要です。
リボ払いの返済方式は2種類に分かれます。
「定額方式」では、その月の利用額やそのカードでの利用残高にかかわらず、自分があらかじめ決めた一定額の弁済金(支払額)を毎月支払う方式のことです。
定額方式はさらに、元金定額方式と元利定額方式の2つに分けられます。
元金定額方式では、毎月一定額を利用残高(元金)に充当していきます。
毎月の支払額を定額の1万円にしてした場合、1万円は元金充当金となり、別途手数料・利息(利用残高×利率)を支払う必要があります。(その月の支払額は1万円を超えます。)
元金定額方式には、利用残高をすみやかに返済していくため、手数料・利息の総額も抑えやすい利点があります。
元利定額方式では、毎月の弁済金は一定です。
毎月1万円を支払うことにした場合、1万円の中に元金充当金とともに手数料・利息(利用残高×利率)も含まれます。
元利定額方式には、手数料・利息を細かく把握しなくてよいことから、計画的に返済しやすいという利点があります。
「残高スライド方式」では、カード会社の指定する金額設定に従ってそのカードの利用残高に応じてその月の弁済金(支払額=元金充当金+手数料・利息)が変動します。
残高スライド方式は利用残高の大きいときには多めに返済できる点が計画的な返済に役立ちます。
メリットは、毎月の金額が比較的安定して計画的に返済しやすい点と、手数料・利息の総額を抑えやすい点です。
デメリットとして、利用残高が大きくなるほど手数料・利息が高くなり、毎月の一定額に近づけるのが難しくなる点があります。
メリットは、毎月の金額が一定であること。特に、条件さえ合えば新規のリボ払い利用があっても、支払額が変わらない点です。
デメリットは、完済までのペースが遅めになること。特に、利用残高が大きいのに毎月の指定額が小さいと、支払い期間が長期化して利用日数が増えるので、手数料・利息がかさんでしまいます。
メリットは、利用残高の多いときには多めに返済可能である点です。
デメリットは、メリットの裏返しで、利用残高しだいで支払額が変わる点です。
新たな利用額が発生したときは支払額の増額します。月々の支払額の変化をきちんとチェックしておかないと、支払い遅延が発生して、信用情報(いわゆるブラックリスト)に記載されてしまうため、注意が必要です。
クレジットカード会社の多くは、ショッピングについては「手数料・手数料率」、キャッシングについては「利息・利率」と表記していますが、意味するところは同じです。
リボ払いは、無計画に使ってしまうと「やばい」状態になることもあります。
金融業界やクレジット会社がさまざまな啓蒙活動をしていることもあり、リボ払いのリスクについて認識が広がってきました。しかし、現在もリボ払いを利用しているうちに返済が難しくなってしまう方はいます。
リボ払いで「やばい」状態になってしまう2大要因は、以下の2点です。なぜリボ払いを続けるうちに返済が難しくなってしまうのか、各要素について確認していきましょう。
リボ払いの無計画な利用は最悪のパターンといえます。
無計画にリボ払いし続けると利用残高が大きくなります。カード会社の設定する、リボ払いの最低支払額の設定枠が次の段階になると、月々の最低支払額がぐっと上がります。
楽天カードではキャッシングリボ払いで、3,000円+利息→6,000円+利息→10,000円+利息……というように増えていきます。2倍近くになるので、うっかり支払い遅延してしまう恐れもあるでしょう。
そこでようやく「こんなに支払わないといけなくなった」と気づいた頃には、すでに資金繰りが難しくなっているかもしれません。
増額返済を一度もすることなく、月々の最低支払額を支払い続けるのもできれば避けたいもの。
多くのクレジットカードで適用されている元利定額残高スライド方式の場合、利用残高が小さくなると毎月の支払額も自動で小さくなります。
払う余裕があるにもかかわらず毎月の支払額を増額せずにいると、ムダに手数料・利息を払い続けることになってしまいます。
【無計画なリボ払いを防ぐには】
実は「リボ払いをしている自覚があまりなかった」という方は意外に多いもの。
リボ払いには「リボ専用カード・自動リボ払い(事前登録)・利用時選択・あとからリボ払い」の4つの利用方法があります。このうち前者2つを、特に意図せずに使っていたという方がいます。
後から明細を確認していて「手数料がこんなに高いのはおかしい!」」と気づき、クレジットカードを使うのを止めた、自動リボ払い設定を解除した、という話はみなさんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
【無自覚のリボ払いを防ぐには】
「無計画なリボ払い」も「無自覚なリボ払い」も、リボ払いの特徴を正しく把握することで防げます。
利用額や利用残高、返済回数によっては分割払いのほうが支払総額をずっと抑えられることも。シミュレーションを活用して、ぜひしっかり見極めましょう。
お金に困ったときはリボ払い以外の選択肢も検討しましょう。
「月々の返済額をできるだけ小さくしないといけないが、利用残高が大きく、返済が長くなってしまって、手数料・利息がかさんでしまっている」という方はカードローンを、「毎月のリボ払いの支払額がぎりぎりで生活を圧迫していて、払い続けられそうにない」方は債務整理も視野に入れて、支払計画を立て直しましょう。
リボ払いの手数料が重い場合、カードローンという選択肢があります。
例えば、即日で融資の審査の結果が届くことも多い消費者金融系カードローンは、金利が実質年率3.0%~18%、利用限度額は1万円~800万円。キャッシングリボ払いと比較すると金利が低めです。
このような場合、借り換えで金利を低くできる可能性があります。
リボ払いからカードローンへの借り換えの手順
ただし、クレジットカードのリボ払いもカードローンも借り入れです。信用情報の記載内容によってはカードローンの審査が通らない可能性があります。
また、カードローンでの多額の借り入れが、その後の住宅ローンや自動車ローン、教育ローンの審査を厳しくする恐れもあります。今後に大きな借り入れを予定している方は注意が必要です。
「カードローンの金利 < リボ払い手数料率」となれば、支払総額を低く抑えることができます。例えば、みずほ銀行カードローンは自社クレジットカードのリボ払いからの乗り換えを推奨しているほど。
リボ払いからカードローンへ借り換えて、手数料・利息や月々の返済額が抑えられたとしても、金銭的余裕ができたわけではありません。「お金に余裕ができた」と勘違いして支出を増やすことのないように気をつけましょう。
クレジットカードやカードローン、銀行の信用情報を預かる信用情報機関は、滞納履歴や支払いに関する情報を交換し合います。将来的な借り入れの審査が問題なく通るように、本当に借りる必要があるときに返済に無理のない額で一時的に借り、すみやかに返済することをおすすめします。
リボ払いの借り換えをするなら、消費者金融の大手で24時間・土日祝日振込可能なアイフルがおすすめです。
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※お申し込みの時間帯により、翌日以降になる場合があります。
「リボ払いで借金地獄に陥った」というほど支払いが無理となった場合、最後の手段として債務整理を採りましょう。
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リボ払いの支払いが困難な場合、任意整理が最適です。リボ払いの手数料・利息を支払う必要がなくなり、支払うべき金額はその時点で残っている元金だけとなります。支払いの負担を減らし、健全な収支バランスを回復するのに適しています。
信用情報に事故情報が残るというデメリットがある点には注意が必要です。
任意整理の情報の保有期間は5年間で期間を過ぎれば記録は抹消されます。抹消後はクレジットカードの新規契約が可能になります。
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避けられない出費の際に重宝するリボ払い。リボ払いは、賢く活用していきましょう。
リボ払いの手数料率・利息率はたしかに高め。しかし、手数料・利息は利用残高・金利・利用日数で決まります。無理のない範囲で増額し、利用残高が少なくなってきたら一括返済するなどして、手数料・利息の総額を抑えましょう!
リボ払いの上手な使い方のポイント